- まずハザードマップで自宅や職場、学校の災害リスクを確認し、立退き避難の必要性を考えます。
- 気象・河川水位・自治体の避難情報を行動の目安とし、危険が高まれば避難指示前でも早めに避難します。
- 警戒レベル3では、危険な場所にいる避難に時間を要する人と支援者は避難を開始します。
- 警戒レベル4では危険な場所にいる人全員が避難行動をとり、レベル5を待たずに安全確保を終えます。
- 計画は目安として、実際の情報や周囲の状況に応じて早く行動し、定期的に見直し・更新します。
風水害に備える防災行動計画「マイ・タイムライン」の重要性
近年、日本では極端な大雨の発生頻度や強度が増加しています。台風や集中豪雨、線状降水帯などによって、短時間で災害の危険度が急激に高まることもあります。
地震とは異なり、台風や大雨では、気象情報や河川の水位情報などから災害の危険度が高まる見通しを事前に把握できる場合があります。ただし、実際に災害が発生する場所や時刻を正確に予測できるわけではありません。だからこそ、危険が高まる前に「いつ、何をするのか」を整理しておくことが重要です。
ハザードマップと警戒レベル・防災気象情報を行動に結びつける
マイ・タイムラインを作る際には、まず自宅や職場、学校などがどのような災害リスクを抱えているのかをハザードマップで確認します。
洪水の場合は想定浸水深や家屋倒壊等氾濫想定区域、土砂災害の場合は土砂災害警戒区域などを確認し、自宅にとどまることができるのか、それとも危険が高まる前に立退き避難が必要なのかを考えます。

そのうえで、市町村が発令する避難情報や、気象庁などが発表する防災気象情報を、自分や家族の行動と結びつけておくことが重要です。
警戒レベル3「高齢者等避難」、警戒レベル4「避難指示」、警戒レベル5「緊急安全確保」は、市町村が発令する避難情報です。一方、気象庁などからは、大雨や洪水などの危険度を知らせる防災気象情報が発表されます。
2026年5月29日からは、大雨に関する情報についても「レベル3大雨警報」「レベル4大雨危険警報」など、警戒レベルとの対応関係が分かりやすい名称が使われています。ただし、気象庁の「レベル4大雨危険警報」が発表されたことと、市町村から警戒レベル4「避難指示」が発令されたことは同じではありません。
防災気象情報や河川の水位、キキクルなどで危険度の高まりを確認するとともに、自治体から発令される避難情報にも注意し、自分のマイ・タイムラインで決めておいた行動につなげます。
例えば、「レベル3大雨警報などが発表されたら避難に必要な物を最終確認する」「河川の水位や洪水予報などで危険度が高まったら家族に連絡する」「避難指示が出る前でも危険が高まっていれば早めに避難する」といったように、複数の情報を行動の目安として決めておくと、災害時の判断がしやすくなります。
また、警戒レベル4「避難指示」が発令されたら、危険な場所にいる人は全員、避難行動をとる段階です。警戒レベル5「緊急安全確保」は、すでに災害が発生または切迫している状況で発令される情報であり、必ず発令されるとは限りません。レベル5を待って避難を始めるのではなく、レベル4までに安全確保を終えることが基本です。
警戒レベル3では避難に時間がかかる人は避難を始める
マイ・タイムラインを作るときに特に注意したいのが、警戒レベル3「高齢者等避難」の位置付けです。
警戒レベル3は、単に「避難の準備を始める段階」ではありません。危険な場所にいる高齢者や障害のある人など、避難に時間を要する人とその支援者は、避難を開始する段階です。妊産婦や乳幼児連れの人も、準備や移動に時間がかかる場合は、自身の状況に応じて早めの避難を検討します。

また、高齢者等に該当しない人でも、避難先が遠い、移動に時間がかかる、夜間になる前に避難を終えたいなど、それぞれの状況に応じて自主的に避難を始めることが重要です。
例えば、小さな子どもがいる家庭や、ペットを連れて避難する家庭、自動車を使わず徒歩で避難する家庭などでは、準備や移動に通常より時間がかかる場合があります。
そのためマイ・タイムラインでは、「警戒レベル3になったら全員が同じ行動を始める」と一律に決めるのではなく、家族構成や避難先までの距離、移動手段などを考慮して、それぞれがいつ準備を始め、いつ避難を開始するのかを具体的に決めておきます。
避難に時間がかかることが分かっている場合には、警戒レベル3が発令されるのを待たず、防災気象情報や河川の水位、今後の雨の見通しなどを確認しながら、より早い段階から準備や避難を始める計画にしておくことも大切です。
マイ・タイムラインの目的は、警戒レベルが上がるまで待つことではありません。自分や家族が安全に避難を終えるために、どの情報をきっかけに、いつ行動するのかをあらかじめ決めておくことにあります。
マイ・タイムラインで災害時の避難判断を助ける
大雨や暴風の中では、恐怖や焦りに加えて、刻々と変化する情報を確認しながら避難を判断しなければならないため、冷静な判断が難しくなることがあります。
マイ・タイムラインを作っておくことで、災害時に何を確認し、どのタイミングで行動するのかを事前に整理できます。ただし、実際の雨の降り方や河川の水位上昇、避難情報の発令時刻は、あらかじめ想定した通りになるとは限りません。マイ・タイムラインは絶対的な行動表ではなく、避難判断を助けるための目安です。実際の災害時には、気象情報や河川水位、自治体の避難情報、周囲の状況を確認しながら、必要に応じて計画より早く行動することが重要です。
また、作成後も定期的に家族などで話し合い、マイ・タイムラインを見直し・更新することをお勧めします。
よくある質問
- Q「マイ・タイムライン」とは、どのような防災計画ですか?
- A
台風や大雨による水害などに備え、「いつ」「何をするのか」を住民一人ひとりの状況に合わせてあらかじめ時系列で整理する防災行動計画です。
- Qマイ・タイムラインを作成する最初のステップとして確認すべきことは何ですか?
- A
ハザードマップで自宅周辺の災害リスクを確認し、市町村が発令する避難情報や、気象庁などが発表する防災気象情報、河川の水位情報などと、自分や家族の行動を結びつけて考えることです。
- Q家族構成やライフスタイルに合わせて避難スケジュールを調整する際、どのような点に配慮する必要がありますか?
- A
高齢者など避難に時間を要する人がいるか、乳幼児連れなどで準備や移動に時間がかかるか、避難先までの距離、移動手段、ペット同行の有無など、家庭ごとの事情を考慮します。準備や移動に時間がかかる場合は、必要に応じて警戒レベル3より前から準備を始めるなど、余裕を持った計画にしておくことが大切です。
参考資料・出典
- 国土交通省「マイ・タイムライン」
- 内閣府「避難情報に関するガイドライン」
- 気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」
- 気象庁「日本の気候変動2025」
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」
- 国土交通省「川の防災情報」
- 気象庁「キキクル(危険度分布)」
情報確認日:2026年9月17日

