【2026年最新版】情報ツール「キキクル」の活用法と大雨時の避難判断基準

まず覚えておきたいこと
  • 平時にハザードマップで災害リスクを確認し、大雨時はキキクルを警報・自治体の避難情報・河川水位情報とあわせて継続確認します。
  • 赤(警戒レベル3相当)では、危険な場所にいる避難に時間を要する人は早めに避難を判断し、それ以外の人も準備や自主的な避難を検討します。
  • 紫(警戒レベル4相当)では危険な場所から速やかに安全を確保し、自治体の避難指示等が先なら色にかかわらず避難行動を取ります。
  • 冠水などで屋外移動が危険な場合は建物内のより安全な場所で身を守り、土砂キキクルは赤を経ず黄から紫になる場合があるため赤まで待ちません。

日本では、台風や線状降水帯などによる大雨によって、毎年のように風水害や土砂災害が発生しています。こうした災害から自分自身や家族の命を守るためには、気象庁が提供する防災気象情報を正しく読み取り、危険度の高まりを早めに把握することが重要です。
その大雨時に、どこで災害発生の危険度が高まっているのかを確認するために活用したいのが、気象庁の「キキクル(危険度分布)」です。

キキクル

しかし、いざレベル3大雨警報などが発表されたり、自治体から避難情報が発令されたりした際、「キキクルをどのように確認し、どの色を避難判断にどう生かせばよいのか」を十分に理解できていないケースは少なくありません。ここでは、公的ガイドラインに基づき、キキクルの仕組みや種類、警戒レベルとの対応関係を踏まえた実践的な活用法について解説します。

また、キキクルの使用法についても「キキクルの設定方法は?自宅・現在地の表示と使い方を2026年版で解説」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

キキクルとは? 大雨災害の危険度を地図で把握する仕組み

気象庁がホームページ等で提供している「キキクル」とは、大雨による土砂災害、浸水害、洪水災害の危険度が高まっている場所を、概ね1km四方の細かさで判定し、地図上に5段階で表示する情報です。洪水キキクルでは、危険度を河川の流路に沿って確認できます。

従来の天気予報や市町村単位の警報だけでは、「自分のいるピンポイントの場所で、今どれほど危険が迫っているのか」を視覚的に把握することが困難でしたが、キキクルを活用することで、地域ごとの危険度を面的かつ直感的に確認できるようになりました。

キキクル

キキクルは、これまでに降った雨や今後予想される雨をもとに、土砂災害では「土壌雨量指数」、浸水害では「表面雨量指数」、洪水では「流域雨量指数」などを用いて危険度を判定しています。危険度は常時10分ごとに更新されます。

土砂キキクル・大雨キキクル・浸水キキクル・洪水キキクルの4種類とそれぞれの見方

キキクルには、現在「土砂キキクル」「大雨キキクル」「浸水キキクル」「洪水キキクル」の4つの表示があります。2026年5月29日からは、従来の浸水キキクルと洪水キキクルの危険度を重ね合わせた「大雨キキクル」が新たに提供され、大雨による浸水害と中小河川などの洪水災害の危険度を一つの画面で確認しやすくなりました。

  • 土砂キキクル(土砂災害の危険度分布):
    大雨による急傾斜地の崩壊や土石流といった土砂災害の危険度の高まりを示します。土砂災害警戒区域などがどこに位置しているかと重ね合わせることで、自宅の周辺がどれほど危険な状態にあるかを把握できます。
  • 洪水キキクル(洪水の危険度分布):
    大雨による中小河川(水位周知河川やその他河川)の洪水災害の危険度を、河川の流路に沿って5段階で表示します。3時間先までの予測も用いられており、急激な河川増水の危険を早めに把握するために役立ちます。大河川については、指定河川洪水予報や水害リスクラインなどもあわせて確認することが重要です。
  • 浸水キキクル(浸水害の危険度分布):
    短時間強雨などによる雨水出水(内水氾濫)によって、市街地や低地などで浸水害が発生する危険度の高まりを示します。道路の冠水や家屋への浸水リスクを評価する際に活用されます。
  • 大雨キキクル:
    大雨による浸水害と洪水災害の危険度を重ね合わせ、1km四方の領域ごとに、より高い方の危険度を表示します。大雨によって自分の周辺で浸水や河川氾濫の危険がどこまで高まっているのかをまとめて確認する際に役立ちます。

なお、2026年2月25日からは浸水キキクルと洪水キキクルの予測手法も改良され、気象庁によれば、洪水キキクルでは洪水危険度の高まりを従来より最大40分早く把握できるようになりました。

キキクルの色分けの意味と警戒レベルとの対応関係

キキクルの色は、5段階の警戒レベルに相当する危険度として整理されています。ただし、キキクルの色は自治体が発令する「高齢者等避難」や「避難指示」そのものではありませんので、その点は注意してください。

  • 無色(今後の情報等に留意): 現時点では警戒レベル2相当となる「注意(黄)」の基準には達していません。今後の気象情報や雨の降り方を確認します。
  • 黄(注意・警戒レベル2相当): 自らの避難行動を確認する段階です。ハザードマップで自宅や現在地の災害リスク、避難先や避難経路を改めて確認します。
  • 赤(警戒・警戒レベル3相当): 高齢者等が危険な場所から避難する必要がある警戒レベル3に相当します。危険な場所にいる高齢者や障害のある人など、避難に時間を要する人とその支援者は、自治体から「高齢者等避難」がまだ発令されていない場合でも、キキクルや今後の気象情報を確認し、自ら早めの避難を判断することが重要です。乳幼児を連れているなど準備や移動に時間がかかる場合も、自身の状況に応じて早めの避難を検討します。
  • 紫(危険・警戒レベル4相当): 命に危険を及ぼす災害がいつ発生してもおかしくない、非常に危険な状態です。危険な場所にいる人は避難する段階です。紫は自治体が発令する「避難指示」そのものではなく、警戒レベル4に相当する防災気象情報です。自治体から避難指示がまだ発令されていなくても、自分がいる場所が紫になっている場合には、速やかに避難の必要性を判断してください。
  • 黒(災害切迫・警戒レベル5相当): 重大な災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い状況です。本来は黒になる前、遅くとも紫の段階までに安全を確保することが重要です。すでに安全な場所への立退き避難が難しい場合は、外へ移動する方が危険なこともあります。建物のより高い階や崖から離れた部屋など、その時点で少しでも命が助かる可能性の高い場所へ移動してください。

なお、同じ色でも、土砂災害・浸水害・洪水では適切な避難行動が異なる場合があります。キキクルだけで判断せず、ハザードマップや自治体の避難情報、河川の水位情報などもあわせて確認してください。すでに道路が冠水している場合などは、無理に屋外へ移動するより、建物内のより安全な場所へ移る方が適切なこともあります。

2026年からは「赤を経ずに紫」になる場合がある
2026年5月から、土砂キキクルの危険度の判定方法が変わりました。
これまでより「警戒(赤)」が表示される範囲が絞られたため、場所によっては「注意(黄)」のあと、赤を経ずに「危険(紫)」になることがあります。また、数時間先に土砂災害の危険が高まると予想されて「レベル3土砂災害警報」が発表されていても、現時点ではキキクルに赤が表示されていない場合があります。
つまり、「キキクルが赤になるまで待てばいい」という見方は危険です。 警報や自治体の避難情報、キキクル、今後の雨の予測をあわせて確認し、危険な場所にいる場合は早めに避難を判断しましょう。

避難遅れを防ぐ!キキクルを活用した実践的な避難判断のコツ

災害から命を守るためには、キキクルの画面上で「紫(危険)」が点灯するのをただ待つのではなく、その手前の段階からの継続的なモニタリングが不可欠です。特に、夜間や視界の悪い気象条件下では、状況が急変してから避難を始めようとしても、すでに道路が冠水していたり土砂崩れが発生していたりして身動きが取れなくなるリスクが跳ね上がります。

キキクル

平時の段階から、自宅や職場がどの災害リスク区域に該当しているかをハザードマップで確認し、気象庁のホームページや防災アプリ等でキキクルをすぐに確認できるようにしておきましょう。
大雨の際には、「赤(警戒・警戒レベル3相当)」が表示されたら、危険な場所にいる高齢者など避難に時間を要する人は、自治体の避難情報や河川の水位情報なども確認し、早めに避難を判断します。それ以外の人も避難の準備や自主的な避難を検討し、「紫(危険・警戒レベル4相当)」が表示された場合には、危険な場所から速やかに安全を確保することが重要です。
ただし、災害の種類や自宅周辺の状況によって適切な避難方法は異なります。すでに冠水しているなど、屋外へ移動する方が危険な場合には、建物内のより安全な場所で身の安全を確保することも考えます。自治体から避難指示等が先に発令された場合には、キキクルの色にかかわらず避難行動を取ってください。また、土砂キキクルでは赤を経ずに黄から紫になる場合もあるため、「赤になるまで待つ」のではなく、警報や避難情報、今後の雨の予測などもあわせて判断しましょう。

よくある質問

Q
キキクルとはどのような防災情報ですか?
A

大雨による土砂災害、洪水、浸水害の危険度が高まっている場所を、日本全国の地図上で1km四方等のメッシュ単位に色分けしてリアルタイムに表示する気象庁の情報システムです。

Q
キキクルの「赤」と「紫」は、警戒レベルとどのように対応していますか?
A

赤(警戒)は警戒レベル3相当、紫(危険)は警戒レベル4相当です。ただし、キキクルの色は自治体が発令する「高齢者等避難」や「避難指示」そのものではありません。自治体から避難情報がまだ発令されていなくても、危険な場所にいる場合にはキキクルなどを参考に自ら避難を判断することが重要です。

Q
災害から命を守るために、キキクルをどのように活用すべきですか?
A

平時に自宅周辺の災害リスクをハザードマップで確認しておき、大雨時にはキキクルの色の変化や警報、自治体の避難情報、河川の水位情報などを継続して確認します。赤は警戒レベル3相当、紫は警戒レベル4相当であり、危険な場所にいる場合にはそれぞれの段階で早めに避難を判断することが重要です。災害の種類や周囲の状況によっては、立退き避難ではなく建物内での安全確保が適切な場合もあります。黒になるまで待ってはいけません。

参考資料・出典

情報確認日:2026年9月18日

情報・連絡・計画

小林 裕(こばやし ゆたか)
保有資格:防災士(登録番号:第318434号)
認証機関:特定非営利活動法人 日本防災士機構

元日という特別な日。
幸せな日常や時間が一変し、理不尽に日常や大切な家族・知人を奪われた能登半島地震。
あまりのショックとその現実を前にして、「自分に何ができるのか」を深く自問自答した末に防災士の資格を取得し、防災・減災活動をスタートさせました。

また、本職であるマーケティングの分野で培った「情報を分かりやすく、正確に必要としている方へ届ける」という専門知見を活かし、一人でも多くの方に確かな防災情報を届けたいという想いから、当サイトの企画・運営に至っております。

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