- 1981年5月以前の木造住宅は、まず耐震診断で現在の耐震性能を確認してください。
- 1981年6月〜2000年5月に建てられた木造住宅も、耐震性能の確認が推奨されています。
- 耐震性が不足していると判定された場合は、結果をもとに耐震改修や建替えを検討してください。
- 補助制度は、契約・着工前に住宅がある自治体で対象条件、補助額、申請時期を確認しましょう。
1981年以前の「旧耐震基準」の木造住宅が抱える大地震の倒壊リスク
阪神・淡路大震災や熊本地震では、1981年の新耐震基準導入以前に建てられた建物で大きな被害が確認されています。特に熊本地震の益城町中心部の調査では、木造建築物の倒壊・崩壊率は、1981年5月以前の建物で28.2%、1981年6月〜2000年5月で8.7%、2000年6月以降で2.2%となっており、建築時期によって被害率に大きな差がみられました。
1981年6月1日に新耐震基準が施行される以前の建物は、現在の新耐震基準より前の基準で設計されています。新耐震基準では、中規模の地震で大きな損傷を生じず、大規模な地震でも倒壊・崩壊しないことを目標とする考え方が採用されています。旧耐震基準の住宅は現在求められる耐震性能を満たさない場合があるため、まず耐震診断によって現在の耐震性能を確認することが重要です。
木造住宅では、1981年の新耐震基準だけでなく、2000年6月の基準改正も一つの確認ポイントです。2000年の改正では、耐力壁の配置バランスや柱・梁などの接合部の仕様が明確化されました。熊本地震では1981年6月〜2000年5月に建てられた新耐震基準の木造住宅にも倒壊被害がみられたため、国土交通省はこの年代の木造住宅についても耐震性能を確認することを推奨しています。

家族の命と財産を守り、住まいを災害に強いものにするためには、まず自宅の建築時期や耐震性能の現状を客観的かつ正確に把握し、必要な対策を講じることが最優先の課題となります。
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市区町村の「耐震診断」を活用して自宅の耐震性を客観的に把握する手順
自宅の耐震性能を詳しく確認するには、築年数や外観だけで判断せず、建築士などの専門家による耐震診断を受けることが有効です。
自治体によっては、旧耐震基準の木造住宅などを対象に、専門家の派遣や耐震診断費用の補助・助成制度を設けています。対象となる住宅、自己負担額、申請条件は自治体ごとに異なるため、住んでいる自治体の公式情報を確認してください。
木造住宅の耐震診断では、診断方法に応じて、基礎の状態、壁の量や配置、柱・梁などの接合部、建物の劣化状況、屋根など建物の重さといった要素を確認し、耐震性能を評価します。
耐震診断によって現在の耐震性能を把握し、耐震性が不足していると判定された場合には、その結果をもとに耐震改修や建替えなどの対策を検討します。
耐震性能が不足している場合の「耐震改修工事」の種類と具体的な内容
耐震診断で耐震性が不足していると判定された場合は、専門家と相談しながら、耐震改修や建替えなど必要な対策を検討します。

耐震改修には、建物の足元を支える基礎コンクリートの亀裂補強や増打ち、地震の横揺れに耐えるための耐震壁(構造用合板や筋交い)の増設、老朽化した柱や梁の接合部を金物で強力に補強する工事などが含まれます。さらに、建物が重いほど地震時に建物へ作用する力も大きくなるため、重い屋根材を軽量なものへ変更することで、建物にかかる地震時の負担を小さくする方法もあります。
耐震診断の結果に基づいて必要な補強方法を組み合わせ、改修後に目標とする耐震性能を確保できるよう計画することが重要です。
自治体の補助金制度を賢く活用し経済的負担を抑えて住まいを守る
耐震診断や大規模な耐震改修工事を実施するにあたっては、専門業者への依頼に伴うまとまった費用負担が懸念材料になることが少なくありません。
しかし、全国の多くの地方自治体では、地域全体の防災力向上と住宅の耐震化を促進する目的で、耐震診断の費用補助だけでなく、自治体によっては、耐震診断や耐震改修工事の費用を補助する制度を設けています。
補助額や対象住宅、所得・年齢などの条件、申請時期は自治体によって大きく異なるため、工事を契約・着工する前に、住宅がある自治体の制度を確認しましょう。

利用できる支援制度を確認することで、耐震診断や耐震改修にかかる自己負担を抑えられる場合があります。まずは住宅がある自治体の公式ホームページや窓口で、対象条件、補助額、申請時期を確認しましょう。
よくある質問
- Q「旧耐震基準」とはどのような基準ですか?
- A
1981年6月1日に新耐震基準が施行される以前に適用されていた耐震基準です。旧耐震基準の住宅は現在求められる耐震性能を満たさない場合があるため、建築時期を確認し、必要に応じて専門家による耐震診断を受けることが大切です。
- Q「新耐震基準」とはどのような基準ですか?
- A
1981年6月1日に施行された耐震基準で、震度5強程度の地震でほとんど損傷しないことに加え、震度6強〜7程度の地震でも倒壊・崩壊しないことを検証する考え方が導入されています。なお、木造住宅では2000年6月にも接合部や耐力壁の配置などの基準が明確化されています。
- Q自宅の耐震性能を客観的かつ正確に把握するために、どのような公的制度がありますか?
- A
自治体によっては、専門家による耐震診断の派遣制度や、耐震診断費用を補助する制度があります。対象住宅や費用負担、申請条件は自治体によって異なるため、自治体の公式情報を確認してください。
参考資料・出典
- 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」
- 国土交通省「地震の被害と耐震改修の必要性」
- 国土交通省「熊本地震における木造建築物の被害の状況」
- 国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法の公表について」
- 国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」
- 国土交通省「木造住宅の耐震診断と補強方法」の認定について
- 国土交通省「補助金・支援制度について」
- 内閣府「令和8年版 防災白書」
情報確認日:2026年9月17日

