- 住所・現在地で表示した地点は誤差の可能性があるため、道路や建物を見て確認したい場所へ移動してからリスクを見ます。
- 災害情報はまず1種類ずつ表示して凡例・想定条件を確認し、必要なものを重ねて比較します。
- 地図に色が付いていない場所も安全と判断せず、市区町村が作成する最新かつ詳細なハザードマップを確認します。
- 緊急時は、その災害に対応した指定緊急避難場所かを確認し、自治体の避難情報や気象庁の警報等、河川の水位情報など最新情報も確認して行動します。
自宅や職場、学校の周辺に、洪水や土砂災害、高潮、津波などの危険がどのように想定されているのか。実際に地図上で調べるときに便利なのが、国土交通省・国土地理院のハザードマップポータルサイトにある「重ねるハザードマップ」です。

住所や現在地から調べたい場所を表示し、洪水・内水、土砂災害、高潮、津波など必要な情報を選択すると、複数の災害リスクを1つの地図上に重ねて確認できます。
ただし、地図に色が付いていない場所を「安全」と判断したり、表示された指定避難所をそのまま災害時の避難先と考えたりするのは適切ではありません。
この記事では、場所の探し方、災害レイヤーの選び方、凡例の見方、複数リスクの重ね方、避難場所の確認方法まで、2026年9月時点の画面と国土地理院の公式資料に沿って解説します。
- 重ねるハザードマップとは? 何ができるのかを解説
- 住所から自宅周辺の災害リスクを調べる方法
- スマホで現在地のハザードマップを見る方法
- 洪水・内水・土砂災害などのレイヤーはどう選ぶ?
- 「設定」とは?必要な情報を表示・非表示にすること
- ハザードマップの色はどう見る?まず凡例を確認する
- 浸水深を見るときは想定条件も確認する
- 複数の災害リスクを重ねて見る方法
- 背景地図や航空写真に切り替える方法
- 指定緊急避難場所はどう表示する?
- 2026年から指定避難所も確認可能に|指定緊急避難場所との違いに注意
- 地図に色が付いていない場所は安全?
- 重ねるハザードマップだけで避難を決めない
- まとめ|住所を入れたら1種類ずつ確認し、必要な情報を重ねる
- よくある質問
- 参考資料・出典
重ねるハザードマップとは? 何ができるのかを解説
「重ねるハザードマップ」は、国や都道府県などの関係機関が作成した災害リスク情報や防災情報を、全国共通のWeb地図上で確認できるサービスです。
市区町村が公開しているハザードマップを探して開くための「わがまちハザードマップ」とは、役割が異なります。
- 重ねるハザードマップ:複数の災害リスク情報などを全国共通の地図上に重ねて見る
- わがまちハザードマップ:市区町村が公開しているハザードマップを探して開く
重ねるハザードマップは、自宅だけでなく、職場、学校、家族が暮らす地域など、任意の地点について周辺のリスクを横断的に調べるのに向いています。
住所から自宅周辺の災害リスクを調べる方法
最も分かりやすいのが、住所から調べる方法です。
- ハザードマップポータルサイトを開く
- 「住所から探す」に調べたい住所を入力する
- 検索結果から確認したい場所を選ぶ
- 重ねるハザードマップが開いたら、道路や建物などを見て位置にずれがないか確認する
- 洪水・内水、土砂災害など、確認したい災害情報を表示する
住所検索で表示される地点には誤差が生じる場合があります。国土地理院も、住所検索や現在地検索で必ずしも目的の地点そのものが表示されるとは限らないとしています。
そのため、検索後は道路や建物の位置を見ながら、本当に確認したい場所へ地図を移動してからリスクを見ることが大切です。
スマホで現在地のハザードマップを見る方法

スマートフォンなどでは、位置情報を使って現在地周辺を表示することもできます。
ハザードマップポータルサイトの「現在地から探す」を選択すると、端末から取得した位置情報をもとに重ねるハザードマップが表示されます。
地図画面を開いた後も、「現在地へ移動」の機能を利用できます。
ただし、この機能を使うにはブラウザや端末側で位置情報の利用を許可している必要があります。また、GPSや端末の状態などによって実際の現在地とは異なる場所が表示される可能性があります。
現在地の表示だけを根拠にピンポイントで安全・危険を判断せず、周辺も含めて地図を確認してください。
洪水・内水・土砂災害などのレイヤーはどう選ぶ?
調べたい場所を表示したら、次に確認したい災害情報を選びます。
まず大まかなリスクを確認したい場合は、画面の「災害種別で選択」から選ぶと分かりやすいでしょう。2026年9月時点では、主に次の項目が表示されています。

- 洪水・内水
- 土砂災害
- 高潮
- 津波
- 道路防災情報
- 地形分類
一方、浸水継続時間や家屋倒壊等氾濫想定区域など、さらに細かな情報を確認したい場合は、「すべての情報から選択」を使います。
ここでは、洪水浸水想定区域、内水浸水想定区域、家屋倒壊等氾濫想定区域、浸水継続時間、ため池決壊による浸水想定区域などを個別に選択できます。
さらに細かい情報を選びたい場合は、「すべての情報から選択」を使います。
一度表示した情報は、表示・非表示を切り替えたり、不要なレイヤーを削除したりできます。
「設定」とは?必要な情報を表示・非表示にすること
「重ねるハザードマップで自宅を設定したい」と考える人もいるかもしれませんが、基本的な使い方は、自宅を登録することではなく、調べたい場所を表示して、確認したい災害情報を選ぶことです。
例えば、自宅周辺の水害を確認するなら「洪水・内水」を表示し、近くに崖や斜面がある場合は「土砂災害」も確認します。必要のない情報は非表示にできるため、確認したい災害に絞ると地図が見やすくなります。
ハザードマップの色はどう見る?まず凡例を確認する
地図上に色が表示されたら、色だけを見て判断せず、必ず凡例を確認します。
表示中の情報について「詳細」や「解説・凡例」を開くと、そのデータの意味や色分けを確認できます。

洪水・高潮・津波などでは、浸水深と色の対応を示す凡例が表示されます。
同じ色に見えても、災害の種類や選択したデータによって意味が異なる場合があるため、別の地図で覚えた色の意味をそのまま当てはめないようにしてください。
また、画面下部の情報表示では、地図中心付近の住所や標高のほか、表示しているレイヤーの属性情報を切り替えて確認できます。
浸水深を見るときは想定条件も確認する
洪水のレイヤーには、「想定最大規模」「計画規模」など複数のデータがあります。

同じ洪水でも、どの想定条件に基づくデータを表示しているかによって内容が異なるため、レイヤー名や解説を確認してください。
また、重ねるハザードマップは全国のデータを統一的な表現で表示しており、元となる関係機関の資料とメッシュの大きさ、描画方法、凡例などが同一でない場合があります。
地図を大きく拡大できるからといって、その地点の災害リスクをより高い精度で断定できるわけではありません。
複数の災害リスクを重ねて見る方法
重ねるハザードマップの特徴は、その名のとおり、複数の情報を同じ地図に重ねられることです。

例えば、洪水浸水想定区域と土砂災害の情報を同時に表示すれば、自宅周辺や避難経路について異なる災害リスクを一つの画面で確認できます。
複数のレイヤーを表示すると見づらくなる場合は、各レイヤーの透過度を調整できます。「表示中の情報」から透過度を調整したい情報の「解説凡例」を押すと透過度が設定できる画面に移ります。
また、レイヤーは表示する順番によって見え方が変わります。後から選択した情報が上側に表示され、表示中の情報の順番を入れ替えることもできます。
情報を多く表示するほど分かりやすくなるとは限りません。まず1種類ずつ確認し、その後に必要なものを重ねて比較すると読み取りやすくなります。
背景地図や航空写真に切り替える方法
災害リスク情報の下に表示される背景地図も変更できます。

情報から、「表示中の情報」の中に「全国最新写真(シームレス)」という項目があるので、これを選択すると航空写真へ切り替えられます。
道路や建物との位置関係を確認するときは通常の地図、土地や建物の状況を視覚的に確認したいときは航空写真というように、使い分けることができます。
地図はマウスホイールや画面の「+」「-」などで拡大・縮小できます。
指定緊急避難場所はどう表示する?
重ねるハザードマップでは、指定緊急避難場所も確認できます。

指定緊急避難場所のアイコンを選択すると、現在表示している災害種別に対応した指定緊急避難場所を表示できます。
指定緊急避難場所は、災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所で、市町村長が洪水、土砂災害、地震、津波、大規模な火事など、災害の種類ごとに指定します。
そのため、ある施設が地震の指定緊急避難場所だからといって、洪水にも対応しているとは限りません。自分が想定している災害に対応しているかを確認してください。
2026年から指定避難所も確認可能に|指定緊急避難場所との違いに注意
2026年7月13日から、重ねるハザードマップでは、地理院地図に掲載されている「指定避難所」も確認できるようになりました。
地図画面の「すべての情報から選択」から表示できます。
ただし、「指定避難所」と「指定緊急避難場所」は同じ意味ではありません。
| 名称 | 主な役割 |
|---|---|
| 指定緊急避難場所 | 災害の危険から命を守るため、緊急的に避難する施設・場所 |
| 指定避難所 | 避難した人が一定期間滞在したり、自宅へ戻れない人が生活したりするための施設 |

指定緊急避難場所は災害の種類ごとに指定されます。一方、指定避難所は、指定緊急避難場所のように災害の種類ごとに指定される仕組みではありません。
なお、同じ学校や公共施設が「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の両方を兼ねている場合もあります。その場合でも、指定緊急避難場所としてどの災害に対応しているのかを確認することが重要です。
したがって、地図に「指定避難所」と表示されているだけで、その場所が洪水や津波などから緊急に命を守れる場所だと判断してはいけません。
緊急時の避難先を確認するときは、まずその災害に対応した「指定緊急避難場所」かを確認し、自治体から避難先や開設状況について案内が出ている場合は、その情報にも従ってください。
参考記事指定緊急避難場所と指定避難所の違い 〜 防災の基本知識 〜
地図に色が付いていない場所は安全?
重ねるハザードマップに災害リスクが表示されていないことだけを理由に、「安全な場所」と判断しないでください。
国土地理院は、情報が表示されない場所について、被害の危険性が想定されていない場合のほか、現時点で災害リスクに関するデータが未整備の場合もあると説明しています。
また、新しい浸水想定区域図などが公表されてから、重ねるハザードマップへ反映されるまでに時間を要する場合があります。
低い土地、崖の近くなど周囲の状況も確認し、最新かつ詳細な情報については、市区町村が作成するハザードマップも確認してください。
重ねるハザードマップだけで避難を決めない
重ねるハザードマップは、自宅周辺にどのような災害リスクが想定されているかを平時から把握するために非常に便利なツールです。
一方で、国土地理院は、表示されるデータに未整備の地域や反映まで時間を要する情報があること、住所・現在地検索や背景地図にも誤差があることを示しています。
そのため、平時には重ねるハザードマップで広くリスクを確認したうえで、市区町村が公開している最新のハザードマップも確認しましょう。
実際に大雨などの災害が迫っているときは、重ねるハザードマップの色だけで判断せず、自治体の避難情報、気象庁の警報等やキキクル、河川の水位情報など、その時点の最新情報も確認して行動してください。
重ねるハザードマップは、主に平時に「自分のいる場所にどのような災害リスクがあるのか」を確認するために使い、災害が迫ったときは現在の危険度を示す情報と組み合わせて判断することが重要です。
まとめ|住所を入れたら1種類ずつ確認し、必要な情報を重ねる
重ねるハザードマップを初めて使うときは、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
- 住所または現在地から調べたい場所を表示する
- 検索位置にずれがないか確認する
- 洪水・内水、土砂災害、高潮、津波などを1種類ずつ表示する
- 凡例・解説を確認する
- 必要に応じて複数の情報を重ねる
- 指定緊急避難場所や指定避難所を確認する
- 最後に市区町村の最新ハザードマップも確認する
自宅だけでなく、職場や学校、家族が暮らす地域でも同じ手順で確認しておくと、平時からそれぞれの場所にどのような災害リスクがあるのかを整理できます。
よくある質問
- Q重ねるハザードマップで住所を検索すれば正確な自宅位置が表示されますか?
- A
住所検索や現在地検索には誤差があり、目的の地点そのものが表示されない場合があります。検索後に道路や建物などを確認し、周辺を含めて災害リスクを見ることが重要です。国土地理院もピンポイントだけでなく、周辺を含めた面的な確認を案内しています。
- Q重ねるハザードマップに色が付いていなければ安全ですか?
- A
安全とは限りません。災害リスクが想定されていない場合だけでなく、データがまだ整備されていない場所もあります。新しいデータの反映に時間がかかる場合もあるため、市区町村が作成する最新のハザードマップも確認してください。
- Q指定避難所が表示されたら、災害時はそこへ避難すればよいですか?
- A
指定避難所と指定緊急避難場所は役割が異なります。指定緊急避難場所は災害種別ごとに命を守るための避難先として指定され、指定避難所は一定期間滞在するための施設です。表示されている指定避難所が、その災害から緊急に身を守る場所として適しているとは限らないため、市区町村の最新情報も確認してください。
参考資料・出典
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」
- 国土交通省・国土地理院「重ねるハザードマップ」
- 国土地理院「重ねるハザードマップ 操作マニュアル」
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト よくある質問」
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト 更新情報」
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト 利用規約」
- 内閣府「避難場所に関すること」
情報確認日:2026年9月9日

