地下街で地震が起きたら?停電時に安全に避難する方法

まず覚えておきたいこと
  • 強い揺れの間は、バッグなどで頭を守り、出口や階段へ急がず、揺れが収まるまで身の安全を確保します。
  • 停電したら、非常照明や誘導灯が確認できるまでむやみに動かず、その場で姿勢を安定させます。
  • 避難が必要な場合は、足元と前方を確認し、非常照明や誘導灯、案内放送、係員の指示を確認しながら壁づたいに進みます
  • 出口や階段に殺到せず、人を押したり追い越したりせず、前方との距離を取りながら歩きます。
  • 火災で煙がある場合は、口と鼻を覆ってできるだけ低い姿勢で避難し、火や煙の方向を避けて安全な経路を選びます。

地下街や地下駅のコンコース、地下通路にいるときに大きな地震が発生すると、「地下にいるのだから、すぐ地上へ逃げなければ」と考えてしまうかもしれません。しかし、地下街で地震に遭ったときに最初にするべきことは、出口へ走ることではありません。まずその場で頭を守り、揺れが収まるのを待つことが基本です。

さらに停電が発生した場合には、視界が悪い状態でむやみに動くと、柱や壁、階段、散乱した物につまずいたり、周囲の人と衝突したりする危険があります。消防庁は、地下街で停電した場合には非常照明がつくまでむやみに動かず、地上へ脱出するときには「壁づたいに歩いて避難する」ことを示しています。
地下街での避難は、「揺れたらすぐ走る」のではなく、頭を守る、揺れが収まるのを待つ、照明と周囲の安全を確認する、壁づたいに落ち着いて出口へ向かうという順番を覚えておくことが重要です。

地下街で地震が起きたら、まず出口へ走らない

地下街で強い揺れを感じた場合、最初に注意したいのが、慌てて出口や階段へ向かわないことです。大きな地震では、天井材や照明器具などが落下する可能性があります。また、店舗内の商品やガラスなどが散乱することも考えられます。
まずバッグなどで頭を保護し、落下物に注意しながら揺れが収まるのを待ちます。

地下での地震


地下という場所に不安を感じても、強く揺れている最中に移動すれば、転倒したり、他の人と衝突したりする危険が高まります。
特に階段は、揺れの最中には転落事故につながる危険があります。周囲の人が出口へ動き始めても、まず自分の身の安全を確保することを優先します。

地下街で停電したら非常照明がつくまで動かない

地震によって停電すると、地下街や地下通路では一時的に視界が大きく失われる可能性があります。
ここで重要なのは、暗くなった瞬間に手探りで歩き始めないことです。
消防庁の地震防災マニュアルでは、地下街で停電した場合について、「非常照明がつくまでむやみに動かない」ことを基本行動として示しています。
暗い中を急いで移動すると、普段なら簡単に避けられる段差や柱でも見えなくなります。地震によって床に物が落ちていれば、それにつまずく可能性もあります。さらに、多くの人が同時に出口を目指して動き出せば、人同士の衝突や転倒が連鎖する危険もあります。
停電したときこそ、まずその場で姿勢を安定させ、非常照明や誘導灯が点灯して周囲の状況を確認できるようになるのを待ちます。

地下街ではなぜ「壁づたい」に避難するのか

揺れが収まり、避難が必要になった場合には、地下街の中央を闇雲に歩くよりも、壁に沿って移動することが基本です。
消防庁は、地下街から脱出するときには「壁づたいに歩いて避難する」としています。壁に沿って歩くことで、自分がどちらへ進んでいるのか分からなくなることを防ぎやすくなります。また、通路中央を横切る人の流れに巻き込まれたり、人と正面から衝突したりする危険も抑えやすくなります。

壁づたいに歩くときは、壁に身体を強く押し付ける必要はありません。片手で壁の位置を確認できる程度にしながら、足元と前方を確認し、一歩ずつ進みます。
壁際にも転倒物やガラスなどがある可能性はあるため、「壁際なら絶対に安全」という意味ではありません。非常照明や誘導灯、施設の案内放送、係員の指示を確認しながら移動することが大切です。

地下街の非常口は一か所ではない

地震が起きると、「いつも使っている階段から出よう」と考え、多くの人が同じ出口へ集中することがあります。
しかし、一つの非常口へ大勢の人が殺到すると、階段や通路が混雑し、かえって避難が難しくなることがあります。地下街には60mごとに非常口が設けられているため、一つの非常口に殺到せず、落ち着いて地上へ脱出するようにしてください。普段利用している出入口だけが避難経路ではありません。非常口や避難口誘導灯を確認し、利用できる近くの出口へ向かいます。
前方の出口に人が集中しているからといって、群衆について無理に押し進む必要はありません。案内表示や係員の誘導を確認し、落ち着いて行動します。

停電時は誘導灯と非常照明を確認して避難する

地下街や駅などの施設には、非常時の避難を支援するための非常照明や誘導灯が設けられています。

誘導灯は、火災や地震などによって通常の電源が失われた場合でも点灯し、避難口や避難経路の方向を示す役割があります。緑色の「避難口誘導灯」は、非常口や避難口の位置を示します。また、通路に設けられた誘導灯は、避難する方向を確認する手掛かりになります。停電した場合には、スマートフォンの画面だけを頼りに歩き回るのではなく、まず非常照明や誘導灯を確認します。
壁づたいに移動しながら誘導灯を確認することで、現在位置や出口の方向を把握しやすくなります。

地下街で大勢の人が動き出しても走らない

地下街では、多くの人が同じ空間を利用しています。大きな揺れや停電が起こると、周囲の人が一斉に出口へ向かうことがあります。しかし、人が密集する場所で走ると、自分が転倒するだけでなく、後ろの人を巻き込む可能性があります。避難するときは、人を押したり追い越したりせず、前方との距離を取りながら歩きます。特に階段や狭い通路では、急いでいる人に押されても無理に前へ進まず、転倒しないことを優先します。
地震発生時の地下街では、「早く出口へ着くこと」よりも、「転倒せず、安全な経路で地上へ出ること」が重要です。

地下街で火災が発生した場合は煙にも注意する

地震と同時に火災が発生した場合には、地震による落下物だけでなく、煙にも注意が必要です。火災の煙には有害な成分が含まれ、視界も急速に悪くなる可能性があります。煙がある場合には、ハンカチやタオルなどで口と鼻を覆い、できるだけ低い姿勢で避難します。
また、煙が流れている方向へ無理に進まず、施設の放送や係員の指示、誘導灯などを確認して安全な避難経路を選びます。この場合も、壁づたいに歩くことだけに固執してはいけません。火や煙がある方向を避け、安全な避難経路を選ぶことが優先されます。

地下街で地震に遭ったときの行動を順番で覚える

地下街で大きな地震が発生した場合には、次のような順番で行動すると整理しやすくなります。

地下での地震
  • 1.バッグなどで頭を守る
    まず落下物から頭を守り、その場で姿勢を安定させます。
  • 2.揺れが収まるまで移動しない
    出口や階段へ急がず、強い揺れが続いている間は身の安全を確保します。
  • 3.停電したら非常照明を待つ
    視界が悪い状態で手探りのまま動かず、非常照明や誘導灯が確認できる状態になるまで待ちます。
  • 4.避難が必要なら壁づたいに歩く
    壁を目安にしながら、足元と進行方向を確認して落ち着いて進みます。
  • 5.誘導灯や係員の指示に従う
    自分が普段使う出口だけにこだわらず、近くの非常口や安全な避難経路を選びます。
  • 6.出口や階段に殺到しない
    人の流れに押されても走らず、転倒や将棋倒しにつながらないよう落ち着いて移動します。

地下街の地震避難では「壁づたい」の前に動かない判断が重要

「地下街では壁づたいに歩く」という行動は、地震時の避難方法として消防庁も示している重要なポイントです。ただし、覚えておきたいのは、地震が発生した瞬間から壁を探して移動するわけではないということです。まず頭を守り、揺れが収まるのを待ちます。停電した場合には非常照明がつくまでむやみに動かず、周囲の安全が確認できてから避難を始めます。そして避難する際には、壁づたいに歩き、非常口や誘導灯、施設の案内放送、係員の指示を確認しながら地上へ向かいます。

地下街で地震に遭ったら、「走って出口を探す」のではなく、「まず動かない。安全を確認してから壁づたいに避難する」。この順番を覚えておくことが、自分自身と周囲の人を守る行動につながります。

よくある質問

Q
地下街で地震が起きたら、どうしたら良いですか?
A

まずバッグなどで頭を守り、揺れが収まるのを待ちます。停電した場合も、非常照明がつくまでむやみに動かないことが基本です。

Q
地下街ではどのように避難するのですか?
A

暗い地下空間や混雑した通路で方向を見失ったり、人の流れに巻き込まれたりする危険を抑えながら出口へ向かうため壁づたいに避難します。

Q
地下街で停電したらどうなりますか?
A

誘導灯は、災害などで停電した場合でも非常電源によって点灯し、非常口や避難階段へ誘導する役割があります。停電直後に闇雲に動かず、非常照明や誘導灯を確認してから避難することが大切です。

参考資料・出典

情報確認日:2026年9月20日

地震

小林 裕(こばやし ゆたか)
保有資格:防災士(登録番号:第318434号)
認証機関:特定非営利活動法人 日本防災士機構

元日という特別な日。
幸せな日常や時間が一変し、理不尽に日常や大切な家族・知人を奪われた能登半島地震。
あまりのショックとその現実を前にして、「自分に何ができるのか」を深く自問自答した末に防災士の資格を取得し、防災・減災活動をスタートさせました。

また、本職であるマーケティングの分野で培った「情報を分かりやすく、正確に必要としている方へ届ける」という専門知見を活かし、一人でも多くの方に確かな防災情報を届けたいという想いから、当サイトの企画・運営に至っております。

小林 裕をフォローする
タイトルとURLをコピーしました