濃霧の中を運転するときはどうする?ライト・速度・車間距離・停車判断を解説

まず覚えておきたいこと
  • 霧が濃くなり始めたら、ライト・霧灯を早めに使い、視界に合わせて減速し、十分な車間距離を取ります。
  • 濃霧ではロービームを基本にし、フォグランプがあれば活用しますが、灯火だけに頼らず減速と車間距離の確保を同時に行います。
  • 前車の尾灯だけを追わず、十分な車間距離を保ちながら、車線や視線誘導灯、ガードレールなど複数の目印で位置を確認します。
  • 高速道路で走行継続が難しい場合も本線や路肩で待機せず、速度を落として交通規制や誘導に従い、最寄りのSA・PAやICなどへ早めに移動します。
  • 出発前は濃霧注意報や道路状況を確認し、到着を急ぐ必要がなければ出発時刻・経路の変更や、「今日は走らない」「霧が弱まるまで待つ」判断も検討します。

運転中に急に霧が濃くなり、前の車や車線が見えにくくなると、「ライトはハイビームとロービームのどちらがいい?」「どこまで速度を落とせばいい?」「もう走れないと感じたら路肩に止まっていい?」と迷うことがあります。
濃霧では、前方の障害物や周囲の車を見つけるのが遅れるだけでなく、自分の車も周囲から見つけてもらいにくくなります。大切なのは、普段どおり走ろうとせず、視界に合わせて速度・車間距離・灯火・進路を早めに調整することです。

この記事では、警察庁の「交通の方法に関する教則」やNEXCO各社の安全運転情報をもとに、濃霧の中で実際に運転するときの行動に絞って解説します。濃霧注意報の意味や発表基準そのものを知りたい方は、「濃霧注意報とは?視界は何m?発表基準と取るべき行動」をご覧ください。

濃霧の運転でまずやることは5つ

走行中に霧が濃くなってきたら、まず次の5点を意識します。

  • 早めにライトを点灯し、自分の存在を周囲に知らせる
  • 視界に合わせて速度を落とす
  • 前車との車間距離を十分に取る
  • 車線・視線誘導灯・ガードレールなど複数の目印を使う
  • 安全に走り続けることが難しい場合は、高速道路ではSA・PAなど、一般道では駐車場など道路外の安全な場所へ早めに退避する
濃霧時の運転

NEXCO西日本は、濃霧時の高速道路で「ライトやフォグランプなどを点灯」「減速」「十分な車間距離」「本線上には停止しない」「交通情報や情報板で霧の発生を把握」といった行動を案内しています。

昼間でもライトを早めに点灯する

濃霧では「自分が前を見るため」だけでなく、他の車から自分の車を見つけてもらうためにも灯火が重要です。

警察庁の「交通の方法に関する教則」では、霧や吹雪などで視界が狭くなるとき、霧灯がある場合は霧灯を、ない場合は前照灯を早めにつけるよう示しています。NEXCO各社も、濃霧や雨天などで見通しが悪い場合は昼間でも早めのライト点灯を呼びかけています。

フォグランプがあるなら活用する

フォグランプ(霧灯)は、霧など視界が悪い状況で自車の前方や存在を確認しやすくするための補助灯です。装備されている車では、取扱説明書に従って適切に使用しましょう。

ただし、「フォグランプを点ければ普段と同じ速度で走れる」という意味ではありません。灯火はあくまで安全確保の一要素で、減速と車間距離の確保が同時に必要です。

濃霧ではロービームを基本にする

濃霧では、ヘッドライトの光が霧の粒子に反射し、ハイビームにするとかえって前方が見えにくくなることがあります。そのため、濃霧時はロービーム(すれ違い用前照灯)を基本にし、フォグランプが装備されている場合はあわせて活用します。

濃霧注意報とは

ただし、ライトを点灯しても視界そのものが十分に確保できるとは限りません。見える範囲に合わせて速度を落とし、十分な車間距離を取ることが重要です。

速度を落とし、普段より十分な車間距離を取る

濃霧では、前方の車や障害物を発見できる距離が短くなります。見つけてからブレーキを踏むまでの時間も必要なので、普段と同じ速度・車間距離のまま走ると、急停止した車に対応できないおそれがあります。

濃霧時の運転

NEXCO西日本は濃霧時に「減速し、十分に車間距離を保つ」よう案内しています。高速道路では天候や路面状況によって速度規制が行われることもあるため、道路上の速度標識や情報板を必ず確認してください。
「何km/hまで落とせば安全」と一律の数字で決めることはできません。霧の濃さ、路面状況、道路線形、規制速度、周囲の交通量が変わるためです。見える範囲の中で安全に停止できる余裕を持ち、法定・指定・規制速度を超えない範囲でさらに速度を控えるという考え方が基本になります。

前の車に近づいて「ついていく」のは危険

霧の中では、前車のテールランプが見えると安心してしまい、無意識に車間距離を詰めやすくなります。しかし、前車が急ブレーキをかけたり、その先に停止車両があったりする可能性があります。

警察庁の教則は、霧の中では中心線、ガードレール、前車の尾灯などを目安にするよう示しています。ここでいう「目安」は、前車に接近して追従するという意味ではありません。尾灯だけを追い続けず、十分な車間距離を保ちながら、道路全体の目印を複数使って位置を確認しましょう。

急ブレーキ・急ハンドル・急な車線変更を避ける

視界が悪いと、進路変更先に車がいることや、前方の車が減速していることへの気づきが遅れます。濃霧の中では、必要のない車線変更を繰り返さず、早めの合図と穏やかな操作を心がけます。

濃霧時の運転

NEXCO西日本は濃霧時、視線誘導灯に沿って走行車線(左側車線)を走ることや、合流地点では十分に安全を確認することを案内しています。進路を変える必要がある場合も、ミラーと目視で周囲を確認し、方向指示器を早めに使ってください。
前方に危険を見つけてから慌てて操作するのではなく、早めに減速して「急な操作をしなくても済む余裕」を作ることが重要です。

高速道路の濃霧では情報板と交通情報を確認する

高速道路では、霧の発生に合わせて速度規制や通行止めが行われることがあります。走行中は道路上の情報板や標識を確認し、出発前や休憩時にはNEXCO各社の道路情報、国土交通省の道路情報提供システムなどで最新状況を確認しましょう。

NEXCO西日本は、濃霧が発生しやすい区間について、ラジオや交通情報、情報板などから事前に霧の発生状況を把握するよう案内しています。
スマートフォンで交通情報を確認する場合は、走行中に画面を操作・注視しないことも重要です。警察庁は、運転中にスマートフォンなどを使用したり画面を注視したりしてはいけないと案内しています。確認が必要な場合は、安全な場所に停車してから行ってください。

「もう走るのが怖い」と感じても高速道路の本線上では止まらない

濃霧で最も迷いやすいのが、「視界が悪すぎるから、その場で止まった方が安全では?」という判断です。

高速道路の本線上に自分の判断で停止して待つのは非常に危険です。NEXCO西日本は、濃霧時の注意として「本線上には絶対に止まってはいけません」と明記しています。後続車も視界が悪く、停止車両を発見するのが遅れるため、追突事故につながるおそれがあります。

走行を続けること自体に不安を感じるほど霧が濃くなった場合は、速度を落とし、交通規制や誘導に従いながら、安全に利用できる最寄りのSA・PAやインターチェンジなどで本線から離れる判断を早めに行います。

濃霧時の運転

NEXCO中日本は、局地的大雨で視界が悪化した場合について、無理に走行を続けず、早めにSA・PAへ避難するよう案内しています。濃霧についてはNEXCO西日本が本線上に停止しないよう明示しているため、走行継続が難しいと感じた場合も、本線や路肩を待機場所にせず、交通規制や誘導に従って安全に本線を離れられる場所へ移動することが重要です。

事故・故障などでやむを得ず高速道路上に停止した場合は、通常の濃霧時の待機とは別の緊急事態です。ハザードランプ等で後続車に知らせ、道路管理者や警察の緊急時の案内に従ってください。

状況別|濃霧で迷ったときの判断早見表

状況基本の判断
霧が濃くなり始めたライト・霧灯を早めに使い、減速して車間距離を広げる
前車の尾灯しか見えにくい尾灯は目安の一つにし、車間を詰めず、車線や視線誘導灯なども確認する
速度規制・通行止め情報が出た標識・情報板・道路管理者の案内に従う
走り続けることに不安を感じる本線上で待たず、最寄りのSA・PAやICなど安全に本線を離れられる場所へ早めに移動する
事故・故障でやむを得ず停止したハザードランプ等で後続車へ知らせ、停止表示器等を使用し、ガードレール外など安全な場所へ避難して通報する

最後の「事故・故障でやむを得ず停止」は、霧が晴れるのを待つための通常の停車とは別です。警察庁は、高速道路で事故や故障などにより停止した場合、後続車への合図、安全な場所への避難、110番や非常電話等による通報を案内しています。

出発前に濃霧注意報と道路状況を確認する

濃霧の中での対応以上に安全なのは、濃い霧が予想されている時間帯や区間をあらかじめ避けることです。

濃霧時の運転
  • 気象庁の濃霧注意報・今後の見通し
  • NEXCO各社の通行止め・速度規制・渋滞情報
  • 国土交通省「道路情報提供システム」
  • 道路上の情報板・速度標識

を確認し、到着を急ぐ必要がなければ出発時刻や経路の変更も検討します。濃霧注意報は一律の運転禁止を意味する情報ではありませんが、実際の視界や交通規制を見て「今日は走らない」「霧が弱まるまで待つ」という判断も安全行動の一つです。

濃霧運転は「見える範囲に合わせて早めに行動する」

濃霧の中では、視界が悪くなってから慌てて対応するのではなく、霧が濃くなり始めた段階でライトを点灯し、速度を落とし、車間距離を広げておくことが重要です。

  • ライト・フォグランプは早めに点灯する
  • 濃霧ではロービームを基本にし、フォグランプがあれば適切に活用する
  • 視界に合わせて減速し、十分な車間距離を取る
  • 前車の尾灯だけを追わず、道路の複数の目印を見る
  • 高速道路の本線上に停止して待たない
  • 走行継続が不安ならSA・PAやICなどへ早めに退避する

濃霧注意報や道路情報を出発前から確認し、無理に予定どおり走ることよりも、安全に移動できる状況かどうかを優先してください。

よくある質問

Q
濃霧ではハイビームとロービームのどちらが正しいですか?
A

濃霧ではロービーム(すれ違い用前照灯)を基本にします。ハイビームは光が霧の粒子に乱反射し、かえって前方が見えにくくなる場合があります。フォグランプが装備されている場合は適切に活用し、ライトだけに頼らず、視界に合わせて十分に減速してください。

Q
昼間の濃霧でもライトを点けた方がいいですか?
A

はい。警察庁の教則は霧のときに霧灯や前照灯を早めにつけるよう示しており、NEXCO各社も見通しが悪いときは昼間でもライト点灯を呼びかけています。前方を見るためだけでなく、自分の車を周囲から見つけてもらう意味があります。

Q
高速道路で霧が濃すぎるとき、路肩に止まってもいいですか?
A

霧が晴れるのを待つ目的で、本線や路肩を通常の待機場所にするのは避けてください。警察庁は、本線だけでなく路肩への停止も非常に危険としています。車が動く場合は、できる限りSA・PAなど安全な場所へ移動します。事故・故障などでやむを得ず停止した場合は、ハザードランプや発炎筒、停止表示器材で後続車に知らせ、乗員はガードレールの外など安全な場所へ避難してから、110番・非常電話・道路緊急ダイヤル(#9910)などで通報してください。

参考資料・出典

情報確認日:2026年9月18日

風水害

小林 裕(こばやし ゆたか)
保有資格:防災士(登録番号:第318434号)
認証機関:特定非営利活動法人 日本防災士機構

元日という特別な日。
幸せな日常や時間が一変し、理不尽に日常や大切な家族・知人を奪われた能登半島地震。
あまりのショックとその現実を前にして、「自分に何ができるのか」を深く自問自答した末に防災士の資格を取得し、防災・減災活動をスタートさせました。

また、本職であるマーケティングの分野で培った「情報を分かりやすく、正確に必要としている方へ届ける」という専門知見を活かし、一人でも多くの方に確かな防災情報を届けたいという想いから、当サイトの企画・運営に至っております。

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