赤ちゃんの防災備蓄|ミルク・離乳食は何日分必要?

まず覚えておきたいこと
  • 乳児用ミルクや離乳食など入手しにくい特殊食品は、少なくとも2週間分を備蓄します。
  • 必要量は一般的な缶数で決めず、普段1日に使う量×必要日数で、月齢や授乳・離乳食の状況に合わせて計算します。
  • 粉ミルクは原則として一度沸騰させた70℃以上のお湯で調乳し、断水・停電に備えて液体ミルクも備えます。
  • 食物アレルギーがある場合は、普段使う対応ミルクや原因食物を含まない食品を、余裕を持って確保します。
  • 2週間分すべてを避難時に持ち出さず、必要最小限の持ち出し用と自宅の在宅避難用に分けて備えます。

赤ちゃんがいる家庭では、大人と同じ備蓄だけでは十分とはいえません。災害時には物流が止まり、乳児用ミルクや離乳食、アレルギー対応食品など、代わりがききにくい食品ほど入手しにくくなる可能性があります。

農林水産省は、乳幼児など配慮が必要な人向けの食品は平時から厚めに備えることを勧めています。特に2026年の資料では、乳幼児向けの特殊食品について少なくとも2週間分を備蓄することを推奨しています。ここでは、何をどのくらい備えるかを家庭で計算できるように整理します。

乳幼児の食品は「ほかの備蓄」より厚めに考える

一般家庭の食品備蓄は、最低3日分、できれば1週間分を備えることが目安とされています。一方で、乳児用ミルクや離乳食などは、災害時にすぐ代替品を入手できるとは限りません。農林水産省は、乳児用ミルクや離乳食など災害時に入手しにくい特殊食品について、平時から少なくとも2週間分を備蓄することを推奨しています。

赤ちゃんのための防災

赤ちゃんの場合は、月齢、母乳・混合・ミルクの授乳方法、離乳食の進み具合、食物アレルギーの有無によって必要量が変わります。「一般的に○缶あればよい」と決めるより、普段1日に使っている量×必要日数で考えるのが現実的です。

ミルクは粉・液体の特徴を理解して備える

農林水産省の資料では、乳幼児向けとして粉ミルクまたは液体ミルク、哺乳びん、紙コップ、使い捨てスプーン、多めの飲料水などが挙げられています。

  • 粉ミルク:災害時は水や熱源を確保できないことがあるため、調乳せずそのまま与えられる乳児用液体ミルクも備えておくと安心です。粉ミルクを使う場合は、原則として一度沸騰させ、70℃以上を保ったお湯で調乳します。どうしてもお湯を用意できず、粉ミルクしかない場合は、乳児に適した衛生的な水で授乳の都度調乳し、作ったらすぐに与え、残ったミルクは廃棄します。ただし、70℃未満の湯や水では粉ミルク中の細菌を十分に不活性化できないため、できるだけ加熱手段や液体ミルクを確保することが大切です。
  • 液体ミルク:滅菌済みで、水や熱源を使わずそのまま与えることができます。断水・停電時の備えとして役立ちます。製品ごとに容器、賞味期限、使用方法などが異なるため、表示を確認し、開封後は速やかに使用します。
  • 紙コップ・使い捨てスプーン:断水などで哺乳びんを十分に洗浄・消毒できない場合の代替手段になります。

調乳に使う水について、農林水産省は水道水や国産のミネラルウォーターを使用し、給水車の水は当日中に使い切り、井戸水は使用しないよう案内しています。また、厚生労働省は、ペットボトルの水を使う場合はミネラル分が多い硬水を避けるよう案内しています。

離乳食は「2週間分+食べ慣れている」がポイント

農林水産省の2026年資料では、ビン詰めやレトルトの離乳食を2週間分備えておくと安心とされています。主食・主菜・副菜を組み合わせ、普段から食べ慣れているものを選んでおくことが重要です。

赤ちゃんのための防災

災害時は環境が変わり、いつもと違う食品を嫌がることもあります。備蓄品を日常の食事にも取り入れて、食べた分を買い足すローリングストックにすると、賞味期限切れを防ぎやすくなります。

食物アレルギーがある場合はさらに余裕を持つ

食物アレルギーがある子どもは、支援物資の中から安全な食品を選べない場合があります。普段使用しているアレルギー対応の粉ミルクや、原因食物を含まない離乳食・食べ慣れている食品を家庭で確保し、購入時には原材料表示を確認しましょう。

アレルギー対応食品は一般食品より代替が難しいため、在庫切れや物流停止も想定して余裕を持たせることが大切です。

わが家の必要量は「1日の使用量×14日」で出す

たとえば、1日に液体ミルクを6本使う家庭なら、14日分で84本が一つの目安です。離乳食を1日2食使うなら28食分です。これはあくまで家庭内の使用量から計算する方法であり、月齢や食事回数が変われば必要量も変わります。

赤ちゃんのための防災

月齢や離乳食の進み具合、普段の使用量、賞味期限などに合わせて、備蓄内容を定期的に見直しましょう。

持ち出し用と在宅備蓄は分ける

2週間分すべてを避難時に持ち出す必要はありません。避難時に持つものは必要最小限にし、自宅には在宅避難用の備蓄を別に置きます。非常持ち出し品については非常持ち出し品の選び方も参考にしてください。

よくある質問

Q
赤ちゃんの食品は本当に2週間分必要ですか?
A

農林水産省は、乳幼児など要配慮者向けの特殊食品は災害時に入手しにくくなるとして、少なくとも2週間分の備蓄を推奨しています。地域の災害リスクや家庭事情に応じて調整してください。

Q
液体ミルクだけにした方がよいですか?
A

一律にどちらかへ切り替える必要はありません。普段の授乳方法を基本に、断水・停電への備えとして液体ミルクを組み合わせる方法があります。

Q
赤ちゃん用のミルクや離乳食は、2週間分すべてを避難時に持ち出す必要がありますか?
A

いいえ。2週間分すべてを持ち出す必要はありません。避難時にはミルクや離乳食、飲料水など必要な分を非常持ち出し品として準備し、残りは在宅避難用の備蓄として自宅に置いておきます。赤ちゃんを抱えて避難する場合は荷物が多すぎると移動の妨げになるため、持ち出し用と在宅備蓄を分けて準備しておくことが大切です。

参考情報・出典

情報確認日:2026年9月20日

家の中の安全と備蓄

小林 裕(こばやし ゆたか)
保有資格:防災士(登録番号:第318434号)
認証機関:特定非営利活動法人 日本防災士機構

元日という特別な日。
幸せな日常や時間が一変し、理不尽に日常や大切な家族・知人を奪われた能登半島地震。
あまりのショックとその現実を前にして、「自分に何ができるのか」を深く自問自答した末に防災士の資格を取得し、防災・減災活動をスタートさせました。

また、本職であるマーケティングの分野で培った「情報を分かりやすく、正確に必要としている方へ届ける」という専門知見を活かし、一人でも多くの方に確かな防災情報を届けたいという想いから、当サイトの企画・運営に至っております。

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