- 強い揺れを感じたら、ブロック塀・石塀から離れ、自動販売機や電柱にも近づかないでください。
- 地震後は外見上問題がないように見える塀も自分で安全と判断せず、十分に距離を取ってください。
- 避難では最短ルートに限らず、狭い路地や塀ぎわを避け、倒壊物から距離を確保しやすい経路を選んでください。
- 本震直後だけでなく、その後の移動や避難生活中も、損傷したブロック塀や石塀には近づかないでください。
- 普段から通勤・通学路の危険な塀や細い路地を把握し、地震時に避ける別の経路を考えておいてください。
大きな地震が発生したとき、屋外で注意しなければならないのが、ブロック塀や石塀、自動販売機、電柱などの倒壊・転倒です。普段は動くことのない構造物でも、強い揺れによって突然倒れる可能性があります。
特に住宅地の狭い路地や通学路では、道路のすぐ横にブロック塀や石塀が設置されていることも少なくありません。地震発生時にこうした場所を通る場合、「まだ立っているから大丈夫」と考えて近づくのは危険です。
消防庁も、住宅地で強い揺れを感じた場合には、ブロック塀や石塀から離れ、電柱や自動販売機についても倒れてくる可能性があるため、そばから離れるよう呼びかけています。
ここでは、地震時に倒壊・転倒する可能性があるものと、その危険を避けながら安全に移動するためのポイントを解説します。
参考記事地震発生時の屋外避難!頭上の落下物から身を守る重要な防災手順
地震ではブロック塀や石塀が突然倒壊する危険がある
ブロック塀や石塀は、一見すると頑丈に見えます。しかし、強い地震動を受けると、塀全体に大きな力が加わり、耐震性が不足している場合には道路側へ倒壊する可能性があります。

消防庁の地震防災マニュアルでも、住宅地の路地にあるブロック塀や石塀は強い揺れで倒れる危険があるため、揺れを感じたら塀から離れることが示されています。
地震時に特に怖いのは、倒れる方向やタイミングを予測することが難しい点です。人が塀のすぐ横を歩いているときに倒壊すれば、避ける時間がほとんどない場合があります。
そのため、地震発生時には「倒れそうかどうかを近くで確認する」のではなく、「倒れる可能性があるものには最初から近づかない」という判断が重要です。
地震で危険なブロック塀の特徴|ひび割れや傾きに注意
避難中にブロック塀を見かけた場合、外観から明らかな異常が確認できるものには特に注意が必要です。
国土交通省が公表している「ブロック塀等の点検のチェックポイント」では、塀の高さや厚さ、控え壁、基礎の有無などとともに、「塀に傾き、ひび割れがないか」が外観から確認する重要な項目として挙げられています。
補強コンクリートブロック造の塀では、塀の高さは2.2m以下、壁の厚さは15cm以上(高さ2m以下の場合は10cm以上)、高さ1.2mを超える場合は控え壁を設けることなどが基準とされています。あわせて、基礎の有無や「ひび割れ・傾きがないか」も点検項目となっています。
つまり、すでに大きなひび割れがある、塀が傾いている、一部が破損しているといった状態は、安全性を判断するうえで見逃してはいけないサインです。
ただし、外観に異常が見えなければ安全という意味ではありません。塀内部の鉄筋の状態や基礎など、歩行者が外から確認できない部分もあります。避難時には塀の安全性を自分で判定しようとせず、強い揺れを経験したブロック塀や石塀から十分に距離を取ることを優先してください。
地震では自動販売機や電柱の転倒にも注意する
住宅地や街中で警戒すべきなのは、塀だけではありません。消防庁は、地震時には電柱や自動販売機も倒れてくることがあるため、そばから離れるよう注意を呼びかけています。
自動販売機は日常生活の中で頻繁に目にするため、危険物という意識を持ちにくいものです。しかし、地震時には固定状態などによって転倒する可能性があります。
電柱も同様に、地震後に傾いているなど異常が見られる場合、そのすぐそばを通ることは避けるべきです。

避難中は「歩道だから安全」「いつも通っている道だから大丈夫」と考えず、進行方向にブロック塀、自動販売機、電柱など倒れてくる可能性のあるものがないかを確認しながら移動することが大切です。
地震後の避難では狭い路地や塀ぎわを避ける
地震後に徒歩で避難するときは、目的地までの距離だけではなく、途中にどのような構造物があるかを確認する必要があります。
消防庁は地震発生後の行動として、狭い路地や塀ぎわに近寄らないよう示しています。狭い道路ではブロック塀やコンクリート塀が倒れてきた場合に、逃げられる空間が限られるためです。
例えば、避難場所へ向かう最短ルートが住宅の塀に挟まれた細い路地であれば、そのルートを機械的に選ぶのではなく、周囲の状況を確認して、より幅の広い道路など危険な構造物から距離を確保しやすい経路を選択します。

道路の中央寄りを移動する場合も、自動車や緊急車両などの通行には十分注意しなければなりません。「道路の中央なら必ず安全」ということではなく、倒壊物から距離を確保しつつ、その時点の道路状況を見て安全な位置を判断することが重要です。
余震でもブロック塀は倒壊する可能性がある
大きな地震の揺れが収まったからといって、ブロック塀のそばがすぐ安全になるわけではありません。
最初の強い揺れによって、塀にひび割れが生じたり、一部の構造が損傷したりしている可能性があります。その状態で再び強い揺れが発生すれば、さらに損傷が進んだり、倒壊につながったりすることも考えられます。
そのため、本震直後だけではなく、その後の移動や避難生活中も、損傷したブロック塀や石塀には近づかないことが重要です。
「最初の地震では倒れなかった」という事実だけで安全だと判断せず、ひび割れや傾きなどが確認できる塀の周辺は避けて通りましょう。
ブロック塀の倒壊は実際に死亡事故を起こしている
ブロック塀の倒壊は、単なる可能性として想定されている危険ではありません。過去の地震では実際に重大な人的被害が発生しています。
国土交通省によると、2018年6月の大阪府北部を震源とする地震では、耐震性に問題のあるブロック塀等が倒壊し、2名が死亡する重大な被害が発生しました。この地震を受けて、国土交通省はブロック塀等の安全確保対策を進めています。
また、ブロック塀の倒壊は、その場にいる人を巻き込むだけでなく、道路をふさいで円滑な避難を妨げる可能性もあります。国土交通省も、地震による塀の倒壊によって道路閉塞が発生し、避難が困難になる可能性を指摘しています。
特に通学路や住宅地の細い道路では、普段からどこにブロック塀や石塀があるのかを把握しておくことが、地震発生時の安全な経路選択につながります。
地震前から危険なブロック塀を確認しておく
地震が発生してから危険な場所を探すのではなく、普段から自宅周辺や通勤・通学経路にあるブロック塀や石塀などを意識しておくことも大切です。

例えば、毎日使う道路に高いブロック塀が続いている場所や、明らかなひび割れ・傾きがある塀がある場合には、地震時にその道を避けられる別の経路を考えておくと、発災後の判断がしやすくなります。
家族で地域を歩く際にも、「この道にはブロック塀が多い」「この細い路地は地震のときには避ける」といった危険箇所を共有しておけば、家族が別々の場所で地震に遭遇した場合にも、それぞれが安全な経路を選びやすくなります。
また、地震後に明らかに傾いた塀や損傷した構造物を見つけた場合には、家族や周囲の人にも近づかないよう声を掛けることが二次被害の防止につながります。
地震で倒壊しやすいものから身を守る避難行動まとめ
地震時の屋外では、ブロック塀、石塀、自動販売機、電柱など、普段は動かないものが突然倒れてくる可能性があります。
特に住宅地の狭い路地や塀ぎわでは、倒壊したものから逃げる空間が限られます。強い揺れを感じたらブロック塀や石塀から離れ、自動販売機や電柱などにも近づかないことが基本です。
また、ひび割れや傾きがある塀はもちろん、外見上は問題がないように見える塀についても、地震後に安全性を自分で判断して近づくことは避けましょう。余震によって損傷が拡大する可能性も考え、危険な構造物から距離を確保することが大切です。
地震後の避難では「最短の道」だけを基準にせず、倒壊しそうなものが少なく、できるだけ距離を確保できる経路を選びます。普段から自宅周辺や通勤・通学路の危険箇所を把握しておくことが、いざというときの安全な避難行動につながります。
よくある質問
- Q地震のときブロック塀の近くにいたらどうすればよいですか?
- A
強い揺れでブロック塀や石塀が倒れる危険があるため、塀から離れてください。特にひび割れや傾き、破損が見られる塀には近づかず、倒壊物から距離を確保できる経路を選んで移動することが重要です。
- Q地震でブロック塀以外に倒れる危険があるものは何ですか?
- A
住宅地ではブロック塀や石塀に加えて、電柱や自動販売機も倒れてくる可能性があると注意を呼びかけています。避難時にはこれらのそばを避け、周囲の状況を確認しながら移動してください。
- Q地震の揺れが収まればブロック塀のそばを通っても大丈夫ですか?
- A
揺れが収まった直後でも安全とは限りません。最初の地震で塀が損傷している可能性があり、その後の余震によって倒壊することも考えられます。地震後は損傷した塀や倒壊する可能性のある構造物に近づかないことが重要です。
参考資料・出典
情報確認日:2026年9月19日

