- 被災地外の親戚・知人を共通窓口にし、家族の安否情報を集約する三角連絡法を備えます。
- 中継役の親戚には事前に依頼して快諾を得て、氏名・電話番号・居住地域を記した緊急連絡カードを家族全員が保管します。
- 安全確保後の連絡のタイミング・優先順位・手段を決め、直接連絡が難しい場合に使う171・web171の共通電話番号も決めておきます。
- 中継役の被災や通信障害に備え、171・web171・SNSなど複数の連絡手段を用意し、171とweb171は体験利用日にも操作と手順を確認します。
大規模災害では、被災地への安否確認などの電話が集中し、通信設備の処理能力が圧迫されます。そのため通信事業者が接続量を制御することもあり、音声通話がつながりにくい「輻輳(ふくそう)」が発生することがあります。
家族の安否を確認しようとして何度も電話をかけ直すと、通信の集中をさらに増やす一因になることがあります。災害時には電話だけに頼らず、災害用伝言サービスやSNSなど複数の連絡手段をあらかじめ決めておくことが重要です。
こうした状況に備える方法の一つが、被災地外の実家や親戚、知人などを中継地点にする「三角連絡法」です。

災害時に「三角連絡法」が有効となる理由
災害時には被災地内や被災地宛ての電話が集中してつながりにくくなる一方、被災地域の外への電話は比較的つながりやすい場合があります。この特性を利用し、離れた地域の親戚や知人を共通の連絡先にして安否情報を集める方法が「三角連絡法」です。
家族がそれぞれ自宅、職場、学校などの異なる場所で被災した場合、電話や通信が集中して家族同士で直接連絡を取りにくくなることがあります。そこで、あらかじめ被災地から離れた安全な地域に住む親戚(例えば、遠方にいる祖父母や叔父・叔母など)に「共通の連絡窓口(ハブ)」としての役割を担ってもらうことを事前に相談し、合意を得ておくのです。

被災した家族それぞれが、この遠方の親戚に対して無事を伝えるメッセージを残す、あるいは電話をかけることで、親戚の元に家族全員の安否情報が集約されます。これにより、親戚を介してお互いの安全状態をスムーズに把握することができるようになり、家族同士で直接連絡が取れない場合でも、遠方の親戚を介して安否情報を共有できる可能性があります。
「三角連絡法」を円滑に機能させるための平時からのルール共有
三角通信の仕組みをいざという時に確実に機能させるためには、発災時のバタバタした状況下であっても迷わず行動できるよう、平時の段階から具体的なルールを家族全員で詳細に共有しておくことが不可欠です。

まず第一に、どの親戚に中継地点としての役割をお願いするのかを事前にしっかりと話し合い、当事者である遠方の親戚にその旨を依頼して快諾を得ておく必要があります。その上で、その親戚の正確な氏名、固定電話番号、携帯電話番号、さらには居住地域の情報をまとめた「緊急連絡カード」を作成し、家族全員が手帳やスマートフォンに常時保管しておきます。
さらに、災害発生時に「誰が、どのタイミングで、どの手段を使うのか」を家族で決めておきます。遠方の親戚への直接連絡には電話、SMS、メッセージアプリなどを使い、直接連絡が難しい場合に備えて、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板(web171)で使用する共通の電話番号も決めておきます。
例えば、「大きな揺れが収まり安全を確保したら、まずSMSやメッセージアプリで自分の安否と居場所を伝える。送信できない場合は別の手段を試し、必要に応じて電話や災害用伝言サービスを利用する」といったように、優先順位まで決めておくと迷いにくくなります。
「三角連絡法」のバックアップ手段の準備
三角連絡法の計画を立てる上で見落としていけないのが、お願いしていた遠方の親戚自身も被災していたり、停電や通信障害によって連絡が取れなくなったりする「万が一のケース」です。どれほど綿密に計画を立てていても、予期せぬ通信トラブルが発生するリスクは常に存在します。
そのため、三角通信のメインルートが万が一機能しなかった場合のバックアップ手段として、複数の連絡網を重層的に用意しておくことが重要です。例えば、NTT東日本・NTT西日本が提供する音声の「災害用伝言ダイヤル(171)」や、インターネットを利用する「災害用伝言板(web171)」の利用方法をあらかじめ家族で体験・共有しておき、遠方の親戚への連絡と並行してサブの安否確認手段としても活用できるようにしておきます。
171とweb171には体験利用日が設けられているため、家族で実際に操作して、共通に使う電話番号や確認手順を確かめておきましょう。
(参考記事:災害用伝言ダイヤル171の使い方 〜 訓練日や安否確認の仕組みを解説 〜)

また、スマートフォンの充電切れに備え、モバイルバッテリーや充電ケーブルなど、自分の端末を必要な回数充電できる手段を用意しておくことも大切です。遠方の親戚を中継地点にする三角連絡法のルールを軸にしつつ、三角連絡法に加えて、171・web171、SNSなど複数の連絡手段を用意しておくことで、一つの方法が使えない場合にも別の手段を試せるようになります。
よくある質問
- Q三角連絡法とはどのような仕組みであり、なぜ遠方の親戚を中継地点にするのですか?
- A
離れ離れの家族がそれぞれ被災地外の遠方の親戚や知人に連絡を入れて無事を伝え、その人を共通の連絡窓口として家族の安否情報を集約する方法です。災害時には被災地内や被災地宛ての電話がつながりにくくなる一方、被災地域の外とは比較的つながりやすい場合があるため、直接連絡が取れないときの補助的な連絡手段として活用できます。
- Q三角連絡法をいざという時に確実に行うため、平時からどのような準備や確認をしておくべきですか?
- A
中継地点となる親戚に事前の依頼と快諾を得て連絡先を共有し、連絡のタイミングや手順を決め、さらに万が一に備えて災害用伝言ダイヤル(171)などのバックアップ手段も準備しておくことです。
- Q災害時に家族がバラバラで被災した場合、直接連絡を取るのが難しい理由は何ですか?
- A
災害直後は被災地への安否確認などの電話が集中し、通信設備の処理が圧迫されます。通信事業者が接続量を制御する場合もあるため、音声通話がつながりにくくなることがあります。
参考資料・出典
- 東京都「東京防災|安否確認をする手段を整える」
- 東京都「安全のしおり|連絡方法を決めよう」
- 千葉県「災害時の連絡方法」
- 内閣府「特集 家族で防災」
- NTT東日本「災害時のふくそう制御のしくみ」
- NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)」
- NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)概要とご提供のしくみ」
- NTT東日本「災害用伝言板(web171)」
- NTT東日本「災害用伝言ダイヤル(171)体験利用のご案内」
- NTT東日本「災害用伝言板(web171)体験利用のご案内」
情報確認日:2026年9月18日

