竜巻が来たら窓のない部屋へ|屋内で身を守る正しい避難方法

まず覚えておきたいこと
  • 竜巻が迫ったら、頑丈な建物内で窓や外壁から離れ、できるだけ1階または地下の窓のない部屋へ移動します。
  • トイレや浴室でも大きな窓がある、または外壁に直接面する場合は、より内側にある安全な場所を選びます。
  • 安全な部屋では丈夫な机の下などで姿勢を低くし、両腕などで頭と首を守り、机がなければ布団やマット、クッションなどをかぶせます。
  • 竜巻が接近しているときは、窓を開けたり撮影のために窓へ近づいたりせず、窓から離れることを優先します。
  • 強風が収まっても、建物に火災や倒壊など差し迫った危険がない場合はすぐ外へ出ず、最新の気象情報と周囲の安全を確認してから行動します。

竜巻が自宅の近くで発生したとき、「家の中にいれば安全」とは限りません。

竜巻では非常に強い風によって屋根材や看板、木片などさまざまな物が飛ばされ、窓ガラスを割ったり、建物の外壁を突き破ったりすることがあります。そのため、頑丈な建物の中へ避難した後も、窓のそばや外壁に面した部屋にいることは避けなければなりません。

気象庁は、竜巻が間近に迫った場合には、頑丈な建物の中へ避難し、屋内では窓や外壁から離れ、1階または地下の窓のない部屋へ移動して、丈夫な机の下などで頭と首を守るよう呼びかけています。

この記事では、気象防災速報の「竜巻注意/竜巻目撃」や、空の変化に気付いたとき、家の中のどこへ避難し、どのような姿勢で身を守ればよいのかを具体的に解説します。

2026年5月29日から、従来の「竜巻注意情報」は「気象防災速報(竜巻注意)」に名称変更されました。

竜巻では窓ガラスと飛来物が大きな危険になる

竜巻は、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流によって発生する激しい渦巻きです。発生範囲は比較的狭いものの、非常に強い風によって短時間で大きな被害を生じさせることがあります。気象庁によると、日本では2007~2025年の平均で、海上竜巻を除き年間約19件の竜巻が確認されています。

竜巻が危険なのは、強風そのものだけではありません。屋根材、瓦、看板、枝、建物の破片などが飛来物となり、高速で建物や人に衝突します。窓ガラスが飛来物によって割れれば、ガラス片が室内へ飛散することもあります。

竜巻からの避難

そのため、竜巻が接近したときの屋内避難では、単に「家の中へ入る」のではなく、窓や外壁からできるだけ距離を取ることが重要になります。

気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)が発表されたら空の変化にも注意

気象庁から「気象防災速報(竜巻注意)」が発表された場合は、竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況になっています。また、竜巻などの激しい突風が目撃された場合には「気象防災速報(竜巻目撃)」が発表されます。
ただし、気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)が発表されたからといって、その地域のすべての場所で竜巻が発生するわけではありません。情報が出たら空の状況にも注意し、積乱雲が近づいてくる兆しがないか確認します。

気象庁は、積乱雲が近づいているサインとして、次のような変化を挙げています。

  • 真っ黒な雲が近づいてくる
  • 雷の音が聞こえてくる
  • 急に冷たい風が吹いてくる

こうした変化が現れた場合は、激しい雨や雷だけでなく、竜巻などの激しい突風が発生する可能性があります。屋外にいる場合には、その場で竜巻を探したり撮影したりせず、速やかに頑丈な建物の中へ移動してください。

気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)が発表されたときは、気象庁の「竜巻ナウキャスト」も確認しましょう。竜巻ナウキャストでは、竜巻やダウンバーストなどの激しい突風が発生する可能性が高まっている領域を確認できます。ただし、竜巻を個別に予測して進路を示すものではないため、空の変化にも注意しながら安全確保を優先してください。

「ゴー」という音や漏斗状の雲は竜巻が迫っているサイン

竜巻がさらに身近に迫ると、特徴的な現象に気付くことがあります。
気象庁では、実際に竜巻に遭遇した人の証言などから、次のような現象を竜巻が迫っている場合の特徴として示しています。

  • 雲の底から地上へ伸びる漏斗状の雲が見える
  • 物やごみなどの飛散物が筒状に舞い上がっている
  • 「ゴー」という異常な音が聞こえる
  • 急な気圧変化によって耳に異常を感じる

これらは、「これから注意すればよい」という段階ではなく、竜巻がすぐ近くまで迫っている可能性があるサインです。確認のため窓へ近づいたり、スマートフォンで外を撮影したりしてはいけません。直ちに窓から離れ、安全な場所で身を守ります。

竜巻が迫ったら1階や地下の「窓のない部屋」へ避難する

頑丈な建物の中にいる場合は、できるだけ1階または地下にある、窓のない部屋へ移動します。
気象庁は、トイレや浴室、地下室などを例として挙げています。家の中心部に近く、窓や外壁から離れた小さな部屋ほど、飛来物や割れたガラスの影響を受けにくくなります。

竜巻の避難

住宅であれば、条件に合う場所として次のような場所が考えられます。

  • 窓のないトイレ
  • 窓のない浴室
  • 家の中心部にある廊下や収納スペース
  • 地下室
  • 窓や外壁から離れた内側の部屋

ただし、「浴室なら必ず安全」「トイレなら必ず安全」という意味ではありません。大きな窓が付いていたり、建物の外壁に直接面していたりする場合は、より内側にある安全な場所を選びます。
部屋の名称ではなく、「低い階」「窓がない」「外壁から離れている」という条件で選ぶことがポイントです。

竜巻が来たら窓や外壁から離れる

竜巻が迫っているときに特に避けたいのが、窓の近くにとどまることです。
飛来物が窓に衝突すると、窓ガラスが割れ、鋭い破片が室内へ飛び込んでくる可能性があります。また、強い竜巻では飛来物が外壁を突き破ることもあります。
そのため、窓がない部屋へ移動できない場合でも、少なくとも窓や外壁からできるだけ離れ、建物の内側で身を守ります。

竜巻の避難

時間に十分な余裕がある場合は雨戸やカーテンを閉めることもガラスの飛散を軽減する方法になりますが、竜巻がすでに接近しているときに窓へ近づいて作業するのは危険です。

雨戸やカーテンを閉めることより、自分自身が窓から離れることを優先してください。

竜巻で窓を開ける必要はない

竜巻について、「窓を開けて屋内と屋外の気圧差をなくしたほうがよい」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、竜巻が迫ったときに窓を開けるため近づくことは危険です。
気象庁が推奨している行動は、窓を開けることではなく、窓や外壁から離れて安全な部屋へ移動することです。
窓のそばにいれば、飛来物や割れたガラスによって負傷する危険が高まります。竜巻が接近しているときは、建物内の気圧を調整しようとせず、自分の身体を飛来物から守ることを最優先にします。

窓のない部屋へ入ったら頭と首を守って姿勢を低くする

安全な部屋へ移動したら、それで終わりではありません。
竜巻によって建物の一部が壊れたり、物が室内へ飛び込んだりする可能性に備えて、できるだけ低い姿勢を取ります。
丈夫な机がある場合はその下に入り、両腕などで頭と首を守ります。
机がない場合には、布団やマット、クッションなどを頭や身体の上にかぶせ、飛来物や落下物から頭部を守ります。浴室にいる場合は浴槽の中へ入って姿勢を低くする方法もあります。

特に重要なのが頭だけでなく首も保護することです。

竜巻の避難

竜巻ではどこから飛来物が飛んでくるか予測できません。身体を小さくし、頭と首を両腕などで覆いながら、竜巻が通過するまで安全な場所にとどまります。

竜巻を見るために窓へ近づかない

竜巻は非常に珍しい現象であるため、実際に漏斗状の雲や飛散物を見つけると、写真や動画を撮影したくなるかもしれません。
しかし、窓越しに竜巻を見る行動は危険です。
竜巻による飛来物は、竜巻本体より先に周辺へ飛んでくることがあります。また、竜巻の進路を見た目だけで正確に判断することはできません。
気象庁も、竜巻を撮影するため窓へ近づくことを避けるよう注意を呼びかけています。

「まだ遠くに見える」「自分の方向には来ていない」と判断せず、竜巻が迫っているサインに気付いた段階で窓から離れてください。

竜巻が通過した後もすぐ外へ出ず周囲の安全を確認する

建物に火災や倒壊など差し迫った危険がない場合は、大きな音や強い風が収まったからといって、すぐに屋外へ飛び出さず、周囲の安全を確認します。
周囲では屋根材や看板、樹木などが損傷している可能性があり、電線が切れて垂れ下がっていることも考えられます。
また、周辺でさらに竜巻などの激しい突風が発生するおそれもあります。
強い風が収まった後も、周囲で別の竜巻などの激しい突風が発生する可能性があります。気象庁の気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)や「竜巻ナウキャスト」など最新の気象情報を確認し、建物や周囲の安全を確かめてから行動してください。

まとめ|竜巻が迫ったら「窓から離れ、低い階の内側へ」

竜巻が接近したとき、屋内で最も重要なのは、窓や外壁から離れることです。
頑丈な建物へ避難したら、できるだけ1階または地下にある窓のない部屋へ移ります。トイレや浴室、家の中心部にある部屋などが候補になりますが、窓や外壁の有無を確認して、その建物の中でより安全な場所を選びます。
安全な場所へ移動した後は、丈夫な机の下や浴槽などで姿勢を低くし、両腕や布団、マットなどを使って頭と首を守ります。
また、窓を開けて気圧を調整しようとしたり、竜巻を撮影するため窓へ近づいたりする必要はありません。
「頑丈な建物へ入る」「窓と外壁から離れる」「低い階の窓のない部屋へ移る」「頭と首を守って低い姿勢を取る」。
竜巻は短時間で状況が急変するため、この一連の行動をあらかじめ覚えておくことが、突然の竜巻から命を守ることにつながります。

よくある質問

Q
竜巻が来たら家の中のどこへ避難すればよいですか?
A

できるだけ1階または地下にある、窓がなく外壁から離れた部屋へ避難します。トイレや浴室、家の中心部の部屋などが候補ですが、部屋の名称ではなく「低い階・窓がない・外壁から離れている」という条件で選ぶことが重要です。

Q
竜巻が来たら窓を開けて気圧差をなくしたほうがよいですか?
A

いいえ。窓を開けるために近づく必要はありません。竜巻では飛来物による窓ガラスの破損や破片の飛散が危険です。窓や外壁から離れ、建物の内側にある安全な部屋へ移動して身を守ることを優先してください。

Q
窓のない部屋へ避難した後はどうやって身を守りますか?
A

丈夫な机の下などで姿勢を低くし、両腕で頭と首を守ります。机がなければ布団やマット、クッションなどで頭部を覆います。竜巻が通過し安全が確認できるまで、窓や外壁から離れた場所にとどまってください。

参考資料・出典

情報確認日:2026年8月29日

竜巻

小林 裕(こばやし ゆたか)
保有資格:防災士(登録番号:第318434号)
認証機関:特定非営利活動法人 日本防災士機構

元日という特別な日。
幸せな日常や時間が一変し、理不尽に日常や大切な家族・知人を奪われた能登半島地震。
あまりのショックとその現実を前にして、「自分に何ができるのか」を深く自問自答した末に防災士の資格を取得し、防災・減災活動をスタートさせました。

また、本職であるマーケティングの分野で培った「情報を分かりやすく、正確に必要としている方へ届ける」という専門知見を活かし、一人でも多くの方に確かな防災情報を届けたいという想いから、当サイトの企画・運営に至っております。

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