【2026年版】濃霧注意報とは?視界は何m?発表基準と取るべき行動

まず覚えておきたいこと
  • 濃霧注意報は一律の外出・運転禁止ではないため、実際の視界、交通規制、移動手段、場所を確認して行動を判断します。
  • 車ではライトやフォグランプを早めに点灯し、減速と十分な車間距離を徹底し、安全に前方を確認できないほど視界が悪ければ無理に運転を続けません。
  • 徒歩・自転車では車からも見つけにくいことを踏まえ、道路横断時などは車の接近を確認し、十分に安全を確認できない場合は減速・停止します。
  • 山で視界が悪くなったら現在地と登山ルートを地図などでこまめに確認し、進行方向に不安があれば分からないまま先へ進みません。
  • 出発前は気象庁の警報・注意報と交通手段の最新情報を確認し、注意報解除後も現地の視界や交通情報を確認します。

天気予報で「濃霧注意報」が発表されていると、「どのくらい先まで見えなくなるの?」「車で出かけても大丈夫?」と迷うことがあります。
気象庁の定義では、霧は視程が1km未満になった状態、濃霧は陸上でおよそ100m、海上で500m以下まで見通しが悪くなった霧を指します。
ただし、ここで注意したいのが、「視程100mになれば全国どこでも濃霧注意報が出る」という意味ではないことです。

濃霧注意報の具体的な発表基準は地域によって異なります。大切なのは数字だけを覚えることではなく、濃霧によって交通事故や交通障害、山での道迷いなどの危険が高まっていると理解し、その時の視界や交通状況に合わせて行動を変えることです。

濃霧注意報とは?何が危険な情報なの?

濃霧注意報は、濃い霧によって災害が発生するおそれがあると予想したときに、気象庁が発表する注意報です。

気象庁は、対象となる災害として、見通しが悪くなることによる交通障害などを挙げています。
霧そのものが建物を壊すような災害ではなくても、見える距離が短くなることで、車同士の衝突、歩行者や自転車の発見の遅れ、鉄道・航空・道路交通への影響などにつながります。
そのため、「注意報だからまだ安全」と考えるのではなく、濃い霧による交通障害などが発生するおそれがあると予想されていると受け止めることが大切です。

濃霧注意報とは

一方で、濃霧注意報は一律に外出を禁止する情報でもありません。実際の視界、交通規制、移動手段、場所などを確認して行動を判断します。

濃霧になると視界は何m?「視程」の意味を知っておこう

気象庁では、濃霧を「視程が陸上でおよそ100m、海上で500m以下の霧」としています。

天気予報では「視界」という言葉を使いたくなりますが、気象庁が用いる正式な用語は「視程」です。
視程とは、水平方向にどこまで見通せるかを表す距離です。方向によって見通せる距離が異なる場合は、通常は最も短い距離を表します。

状態気象庁の定義
微小な浮遊水滴によって視程が1km未満
濃霧視程が陸上でおよそ100m、海上で500m以下
もや微小な浮遊水滴や湿った微粒子によって視程が1km以上10km未満

「かすみ」という言葉も日常では使いますが、気象庁では気象観測上の定義がないため用いていません。

「視程100mで濃霧注意報」は全国共通ではない

濃霧の一般的な定義と、濃霧注意報を発表する基準は同じものではありません。

気象庁自身が、濃霧注意報の基準は地方によって多少異なると説明しています。

例えば、小樽市の濃霧注意報の発表基準は、陸上では視程200m、海上では500mです。
このように、気象庁が一般用語として示す「濃霧=陸上でおよそ100m」という定義と、実際に濃霧注意報を発表する基準が一致しない地域もあります。
警報・注意報の発表基準は、地域ごとの過去の災害と気象状況との関係や地域特性などを踏まえて設定されています。

2026年でも名称は「濃霧注意報」|警戒レベルとは別の情報

2026年5月に防災気象情報の体系が変わりましたが、濃霧については現在も「濃霧注意報」として発表されています。
2026年5月29日から、大雨・土砂災害・河川氾濫・高潮については警戒レベルとの対応を明確にした新しい名称が使われています。

一方、濃霧注意報は「レベル2濃霧注意報」などにはなっていません。

警戒レベルの数字が付いていないから危険性が低いという意味ではなく、濃霧による交通障害などのおそれがある場合に確認すべき注意報です。

濃霧注意報が出たら車を運転してもいい?

濃霧注意報が出ただけで一律に運転禁止になるわけではありませんが、安全に前方を確認できないほど視界が悪い場合は、無理に運転を続けないことが重要です。

濃霧注意報とは

警察庁の「交通の方法に関する教則」では、霧の中を運転するとき、霧灯がある場合は霧灯を、ない場合は前照灯を早めに点灯し、速度を落として運転するよう示しています。

また、NEXCO西日本は、濃霧時の高速道路について次のような対応を呼びかけています。

  • フォグランプがある場合はフォグランプを、ない場合は通常のライトを早めに点灯する
  • 速度を落とす
  • 十分な車間距離を取る
  • 合流地点では特に安全を確認する
  • トンネル出口では霧の状況変化に注意する
  • 高速道路の本線上には停止しない
  • 道路情報や情報板で霧の状況を確認する

「前の車についていけば大丈夫」と車間距離を詰めるのは危険です。急停止や事故への対応が遅れるため、十分な間隔を取ります。

高速道路で視界が急激に悪化しても、本線上に停止するのは非常に危険です。道路管理者や警察の規制・案内に従いながら減速して走行し、無理に走り続けることが不安な場合は、安全に利用できる最寄りのサービスエリア・パーキングエリアやインターチェンジなどで本線を離れることも検討してください。

(参考記事:濃霧の中を運転するときはどうする?ライト・速度・車間距離・停車判断を解説

徒歩や自転車でも「自分から見えるか」だけで判断しない

濃霧では、自分が周囲を見つけにくいだけでなく、車の運転者から自分も見つけてもらいにくくなります。

濃霧注意報とは

徒歩では、道路を横断するときや車道沿いを歩くときに、普段以上に車の接近を確認してください。

自転車では、前方や交差道路の安全を十分確認できないほど視界が悪い場合、無理に速度を維持せず減速し、必要なら安全な場所で一度止まります。

特に夜間や早朝など周囲が暗い時間帯では、自転車のライトや反射材など、自分の存在を周囲に知らせる対策も重要です。

「目的地まであと少しだから」と、道路や周囲の状況を確認できないまま移動を続けないようにしましょう。

山で濃霧になったら道迷いに注意する

山では、濃霧によって登山道の分岐や標識を見落とし、道迷いにつながる危険があります。

環境省は、霧で見通しが悪い状況では看板などの目印を見落とし、道迷いから遭難するケースがあると注意を呼びかけています。

濃霧注意報とは

視界が悪くなったら、現在地と登山ルートを地図などでこまめに確認します。

進む方向に不安を感じた場合は、分からないまま先へ進まず、安全に戻れる状況であれば、自分の位置を確実に把握できる場所まで戻ることも大切です。

出発前から濃霧が予想されている場合は、予定していた登山やハイキングそのものを変更・中止する判断も考えてください。

海では「濃霧注意報」だけでなく海上濃霧警報も確認する

船舶を利用する場合は、地域に発表される濃霧注意報に加えて、船舶向けの「海上濃霧警報」も確認します。

気象庁の海上濃霧警報は、海上の視程がおおむね0.3海里(約500m)以下になると予想される場合などに発表されます。瀬戸内海では0.5海里(約1km)以下が基準です。
海上保安庁の「海の安全情報」では、気象・海象の現況、海上警報、緊急情報などを確認できます。

濃霧注意報とは

プレジャーボートや小型船などで海へ出る場合は、出航後に霧が濃くなってから判断するのではなく、出発前に気象庁と海上保安庁の情報を確認し、安全に航行できるか判断してください。

霧はいつ・どこで発生しやすい?

「日本では○月の朝に霧が多い」と全国一律には言えません。地形や季節によって、発生しやすい霧の種類や時間帯が違います。

例えば、長野県の盆地では秋に放射霧が多く発生します。晴れて風の弱い夜に地面が冷え、地表付近の空気が冷やされて霧が発生するもので、日の出後に気温が上がると消えていくことがあります。
一方、北海道の釧路地方では夏に霧の日が多くなります。南から流れ込む暖かく湿った空気が冷たい親潮によって冷やされ、海上で発生した霧が陸地へ流れ込むためです。
このように、盆地の早朝に出る霧と、沿岸部へ流れ込む海霧では特徴が異なります。
「朝になれば必ず晴れる」「夏だから霧は出ない」と決めつけず、その地域の予報を確認しましょう。

出発前に何を確認すればいい?

まず気象庁の警報・注意報を確認し、そのうえで道路・鉄道・海上など、利用する交通手段の最新情報を確認します。

2026年5月29日からは、気象庁の「時系列情報(明日までの警報等の見通し)」も利用できます。

濃霧については、翌日まで3時間ごとに、濃霧注意報の基準を超えると予想される時間帯を確認できます。情報は毎日5時、11時、17時、23時の4回提供され、見通しが大きく変わった場合には必要に応じて臨時に修正されます。
ただし、時系列情報はあくまで今後の見通しを示す予測情報です。実際に発表されている最新の濃霧注意報もあわせて確認してください。大切なのは「濃霧注意報が出ているか」だけを見るのではなく、いつまで霧が予想されているのか、目的地や経路で実際にどの程度の視界不良や交通規制が発生しているのかまで確認することです。

濃霧注意報が解除されたらすぐ安全?

注意報が解除されたことだけを理由に、すぐに通常どおり移動できるとは判断しない方が安全です。

霧の濃さには場所による差があり、山間部や盆地、高速道路などでは局地的に視界が悪い場所が残ることがあります。

濃霧注意報とは

道路の通行止めや速度規制、鉄道・航空などの運行への影響が続いている可能性もあります。
注意報が解除された後も、出発前には現地の視界や最新の交通情報を確認してください。

濃霧注意報は「何mか」だけでなく、その先の行動まで考える

濃霧について数字で覚えるなら、まず「霧は視程1km未満」「濃霧は陸上でおよそ100m、海上で500m以下」という気象庁の定義が基本です。
ただし、濃霧注意報の発表基準は全国一律ではありません。
そして防災上より重要なのは、「100mか200mか」という数字だけではなく、その視界で安全に移動できるかを考えることです。
車では速度を落として十分な車間距離を取る。安全を確認できないほど視界が悪ければ無理に移動を続けない。山では道迷いを警戒し、海では海上の警報も確認する。

濃霧注意報を「外出できる・できない」の二択で見るのではなく、実際の視程や交通情報を確認し、その時の状況に合わせて行動を変えるための情報として活用しましょう。

よくある質問

Q
濃霧注意報は視界が何mになると発表されますか?
A

全国一律の距離ではありません。気象庁では「濃霧」を陸上でおよそ100m、海上で500m以下の視程と定義していますが、濃霧注意報の発表基準は地域によって異なります。例えば札幌市では陸上200m、海上500mが基準です。自分の地域の具体的な基準は、気象庁の警報・注意報発表基準一覧表で確認できます。

Q
濃霧注意報が出ていても車を運転できますか?
A

濃霧注意報は一律に運転を禁止する情報ではありません。ただし、視界が悪いと事故の危険が高まります。運転する場合はライトやフォグランプを早めに点灯し、速度を落として十分な車間距離を取ってください。安全に前方を確認できないほど濃い霧の場合は、無理に運転を続けず、交通規制や道路管理者・警察の案内に従ってください。

Q
「霧」と「もや」は何が違いますか?
A

気象庁では、微小な浮遊水滴によって視程が1km未満になった状態を「霧」、微小な浮遊水滴や湿った微粒子によって視程が1km以上10km未満になった状態を「もや」としています。濃霧は、霧のうち陸上でおよそ100m、海上で500m以下まで視程が悪くなった状態です。

参考資料・出典

情報確認日:2026年9月16日

風水害

小林 裕(こばやし ゆたか)
保有資格:防災士(登録番号:第318434号)
認証機関:特定非営利活動法人 日本防災士機構

元日という特別な日。
幸せな日常や時間が一変し、理不尽に日常や大切な家族・知人を奪われた能登半島地震。
あまりのショックとその現実を前にして、「自分に何ができるのか」を深く自問自答した末に防災士の資格を取得し、防災・減災活動をスタートさせました。

また、本職であるマーケティングの分野で培った「情報を分かりやすく、正確に必要としている方へ届ける」という専門知見を活かし、一人でも多くの方に確かな防災情報を届けたいという想いから、当サイトの企画・運営に至っております。

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